FXと暗号(仮想)通貨の見通し 12/ 21 – 12/25, 2020

まず、先週のイベントを振り返りましょう:

  • EUR/USD. バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチ によれば、“株の買い”に続く、マーケットの戦略は、“ドル売り”です。この通貨の投機的ショートポジションは、2年ぶりの高値でした。米ドル指数(DXY)は、2020年3月15日に102.82であったのに対し、90を下回りました。最近のドル安に関しては、米議会による財政刺激策の追加案の協議が背景にあります。結局のところ、国内経済に新たなドルの注入が、購買力の低下を導くことになるでしょう。
    12月17日の米連邦準備制度理事会は、市場心理に影響を及ぼすことはありませんでした。金利は、同水準レベルでとどまり、記者会見はクリスマス前の至福ムードに包まれていたと言えるかもしれません。: さらなる量的緩和の見通しについて新しいこともなく、経済の現状についての懸念についても、何ら表明がありませんでした。
    おそらく、このような消極性は、クリスマスだけでなく、大統領の交代によるものです。新大統領は、まだ、ホワイトハウスに移っていません。前大統領は、任期終了を目の前に、既に政治的影響力を失っています。
    確かに、S&P500のさらなる値上がりとブレグジットの協議の結果に対する投資家の期待で上昇し、一週間で約140ポイントの値を上げました。最終的には、1.2250で終了しました。;
  • GBP/USD. 米ドル安とブレグジット協議における最終局面の成功に寄せる期待感から、このペアは続伸中です。週の高値は、12月17日の1.3625で400ポイントほど上昇です。しかしながら、その後は、修正により1.3500を僅かに下回るレベルで5日間を終了しました。
    この協議の意見は、イギリス近海の漁業問題が最後のハードルであるとマスコミで煽られています。マーケットは、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長の合意へ向けた"狭き道"という表明や欧州委員で域内取引担当のミシェル・バルニエ氏の"通商協定の可能性が残されている"という発言に希望を与えられました。
    イギリスも、この協定に同意しているように見えますが、"主権を犠牲にするのではなく、統制には海域も同様に含まれるべき" と述べています。ボリス・ジョンソン首相は、3年間の漁獲割当提案を受け入れなければ、ヨーロッパ漁業を最低8年は遠ざけると脅かしています。
    総じて、420年間のハムレットの “生きるべきか、死ぬべきか?”という質問をブレグジットにあてはめるならば、未だ、協議は継続中です。;
  • USD/JPY. 円は安定、米国債は同じ取引水準にとどまり、ドル安、米ドル指数(DXY)は下げています。これらすべてが、3月末に始まった中期チャンネル内でのUSD/JPYの緩やか下落を続行させています。12月17日、チャンネル半ばで、週安値102.85で修正されました。5日間の最終ポイントは、103.30でした。;
  • 暗号通貨. 3年間期待していたことがビットコインで現実になりました。史上高値$20,000を更新しただけでなく、12月12日から17日という短期間で$18,000から$23,620に30%以上も急騰したことです。
    2017年と2020年の12月に起こった反発の大きな違いについて、多くの専門家は前者のケースが多くの個人投資家による反騰要因であるのに対して、後者のケース投資機関によるものであるとしています。分析会社のChainalysis によれば、ビットコインの大口所有者(1000BTC以上)の"人口"は、年初以来、新規の302ウォレットに拡大し、先月末は2274のピークに達しており、この間の対応アドレスの残高は140万BTCに増加しています。
    公平のために言うと、小売の利用者も増加中であることに注目しましょう。分析サービスGlassnodeのデーターによれば、残高0以外のアドレスは3300万を記録し、過去最大数を更新中です。残高が1 BTC 以上のウォレットの数も着実に増加しています。指標は、最近827,105 新規の記録で、9月末のわずかな後退から回復中です。
    もちろん、何度も書いていますが、コロナウィルスのパンデミックがビットコイン人気に貢献しました。しかし、人口による幅広い普及について話題にするのは、次期早々かも知れません。OpiniumとAltFi がイギリス居住者に実施した調査によれば、わずか10%しか暗号通貨を購入していません。2020年の結果は疑う余地なく明らかですが、⁻1年前の数字は半分の5.3%-まだ、僅かなパーセンテージで、暗号通貨の成長の可能性が残されており、12月17日の総資本は6700億ドルに達しました。
    BTC / USDの価格が既に2017年の最高値をはるかに超えているにもかかわらず、2018年7月記録した8300億ドルに資本が達していないことには注意する必要があります。つまり、ビットコインの価値の上昇は、以前より、少ない法定通貨により加速していて、このペアが買い過ぎであることを示しているかも知れません。これは、Fear & Greed Indexが、7日間で89から95に上昇し、最大の100ポイントに近づいたことによって証明されています。しかし、修正を待つ一方で、今年も暮れで、クリスマス休暇が近づいており、市場は、期待を裏切る薄商いになるかも知れないことを考慮する必要があります。-ゼロボラタリティから急騰まで;

 

今週の見通しについて、多くの専門家の意見と並んでグラフとテクニカル分析を要約すると次のように言えるでしょう:

  • EUR/USD. 来週の12月24日木曜日、外国為替市場は17:00 CET に閉場となり、クリスマスの12月25日は、休場となります。(NordFX のウェブサイトで、暗号通貨、FX、CFDについてのクリスマス、年末年始の取引スケジュールをご確認ください。)
    年末は、大手機関投資家がポジションの決済をおこない集計し、休暇に入ります。しかし、上記で既に述べましたが、マーケットの流動性の低いこの時期、トレーダーは不測の事態に備えなければなりません。そして、それは、サンタクロースからのプレゼントのように、嬉しいものである必要はありません。主な不測の事態は、EU と UKのブレグジットの同意であるかもしれません。(あるいは、なしかもしれません)。
    この記事の執筆時点では、H4のトレンドインジケーターの95%とD1がグリーンでした。また、同じタイムフレームでオシレーターの75%が上向きです。しかし、残りの25%のシグナルは、買われ過ぎを示しており修正の可能性もあります。
    H4のグラフ分析では、1.2175-1.2300のトレンド幅でのペアの動きを予測しており、D1では1.2355の高値までの上昇の可能性を示しています。80% の専門家は、この上昇を支持しています。残りの20%の専門家は、1.2100の下値支持まで下落の予想をしており、週次から月次予想の移行では、弱気相場の支持が65%に増加しています。サポートレベルは、1.2055と 1.1900 レベルあたりです。

  • GBP/USD. 先週、書きましたがブレグジットには、3つの選択肢があります。
    1 – ソフトな中立。世界の貿易機関の基本ルールに合わせるために、現在の移行期間を半年あるいは1年延長することです。この場合、このペアは下落しますが、破滅的なポンドの暴落を阻止できるでしょう。この場合のサポートレベルは、1.3275、その後、1.3100、1.3000、1.2850あたりです。
    2 – 合意も延長もない“ハーデスト”ブレグジットは、まず、下落して1.2700で停滞後、最終的には2020年3月の安値になる可能性があります。1.2075-1.2160の範囲でしょう。
    3 – EUとUKで完全取引の結論です。このケースでは、まず、1.3500の高値から、その後、2018年の高値1.4350あたりまで、おそらく、上昇します。
    すぐに、私たちは、どの選択になるか知ることになるでしょう。;
  • USD/JPY. D1のオシレーターの90%とトレンドインジケーターの100%は、まだ赤の表示であり、下方中期チャネル内で、さらに下落すると予想されます。分析に関しては、H4と Dのグラフ分析が支持されており、102.70〜104.00の範囲、つまり、想定されたチャンネルの中央から上値境界線での動きが考えられています。;
  • 暗号通貨. そう、2017年末 – 2018の"暗号通貨の冬"の繰り返しを待つ価値はあるのでしょうか?あるいは、僅かな修正後、BTC/USD は、再び、新高値を試みるのでしょうか?
    「金持ち父さん、貧乏父さん」のベストセラー作家であり、実業家でもあるロバート・キヨサキ氏は、機関資金投入のなか、来年は$50,000まで上昇し続けると確信しています。“アメリカは、困難の最中”であると言う起業家は、 “死”の米ドルと “輝かしい未来”の金、銀、ビットコインについて否定しています。
    人気のBTCをストックフロー比率からの評価モデルを開発した著名のオランダの暗号通貨アナリストPlanBは、 2021年末までに、$100,000に上昇し、$300,000まで上昇する可能性があるとしています。PlanB は、自身の見解が非常に楽観であり、笑わせると感じている一部の投資家がいることも承知しています。しかし、過去のビットコインの価格上昇は、彼の予想を容認しています。
    金融コングロマリットであるJPモルガンチェースのアナリストによると、機関投資家は、ここ数年の間に、最初の暗号通貨に$6000億ドルまで投資できるとしています。これには、アメリカ、ヨーロッパ、日本の保険会社と年金基金1%をビットコインに流入する必要があります。
    JPモルガンのリードストラジストであるニコラオス・パニギルツォグロウ (Nikolaos Panigirtzoglou ) 氏は、Massachusetts Mutual 生命保険会社による最近の$1億の投資は、このような組織によるビットコインの採用がもう一つの節目を示したと述べています。また、同時に、アナリストは、このような伝統的な機関投資家が暗号通貨に投資することは、リスク規約や責任管理による投資資産の選択については規制があるため、非常に難しいものだと認めています。つまり、BTC購入には、資金制限の可能性があります。
    一般的に、政府の規制に対する姿勢のトピックは、このマーケットの成長の重要な要因の一つです。この問題は、最近、BlockShow カンファレンスで議論が活発です。話し手は、分散型金融では規制当局とのコミュニケーションが必要だが、すべてを譲歩することはできないと述べています。市場に完全な規制を導入すれば、法定通貨と何ら変わりはありません。
    次に、今後数週間のBTC/USD の見通しについてです。平均的な予測によれば、$25,000-26,000まで上昇の可能性は30%、$30,000以上が10%です。下落に関しては、$18.500-20,000まで下がる可能性が20%です。
    アルトコインに関してですが、この段階でビットコインに警戒している人は、イーサリアム注意をしましょう。ビットコインが、既に2017年の高値の16%を超えている場合、イーサリアムは、$670の現在値から市場高値$1,420まで上昇を続けます。そして、主要アルトコインが今年のビットコインよりダイナミックさを示したにもかかわらずです。: ビットコインの465%に対し、3月の安値から640%も上昇しました。
    また、アルトコイン・ブロックチェーンNo.1が最近、更新されました。イーサリアム2.0は、 暗号通貨をより安全で、より効率的に、より使いやすく、そしてうまくいけば、より収益性の高いものになります。
    そして、ここでは、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏がビットコイン、イーサリアム、ほかのコインを含めたデジタル資産購入のための借金やローンを組むべきではないことを強調していた最近の警告に注目する必要があります。イーサリアムが作られる前は、“純資本は、ほんの数千ドル”と述べています。“しかし、レートがゼロに下がった場合、破産することを避けるために自分のビットコインの半分を売却した”書いています。

 

NordFX Analytical Group

 

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