まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 先週の予測では、多くの専門家(60%)が1.2100での下値支持、さらなる、50ポイントの下落もありうると予測していました。ほぼ、予想通り、: EUR/USDペアは、週末の取引の終わりには、 1.2075水準となりました。
2021年の幕開けから、市場が少々、変則的であることに注目しましょう。通常は、株式市場の上昇は、ドル下落への圧力をかけます。 これは、確かに、先月、起こったことです。: リスク選好に押されて、S&P500が着実に上昇する一方で、防衛資産の役割を果たすドル指数は着実に下落しました。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによれば、大口投資家は、新型コロナウィルスの早期の勝利、GDPの急増を望んでおり、テクノロジー関連株を積極的に購入し、また、ドルを排除していました。現在、状況は劇的に変わりました。: USD DXY 指数は、S&P500と連動して、上昇を始めました。
この原因は、どうしてでしょうか? まず、現在、米国株が過大評価されているようです。少なくても、米国投資家の見方によるものです。さらに、先週のレビューでも書きましたが、大統領選でのバイデン氏と民主党の多数が勝利した後、10年利回り国債が急上昇し、ドルもそれに伴い上昇しています。リッチモンドとフィラデルフィアの連邦準備銀行(FRB)の指導者たちがQEプログラムの削減とドル金利上昇を示唆したため、火に油を注ぐことになりました。; EUR/USD での上げ相場での買いポジションの決済が始まりました。; - GBP/USD. この5日間で、このペアは、1.3575のピボットポイントに従った1.3450-1.3700チャンネルで、きれいな正弦曲線を描きました。はじめは、この取引範囲での下値支持線に下落しましたが、その後、急上昇し、水曜日には、2年半ぶりの水準に達しました。
ポンドは、イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁によるマイナス金利の導入の可能性の拒否だけでなく、コロナウィルスのパンデミックがイギリス経済の構造変化に影響しないとした意見表明により支持されました。その結果、ポンドは、過去2ヵ月で最高上げ幅となりました。しかし、その後、総じてドルの強さの傾向により、ピボットポイントに戻り、1.3580で今週の取引を終えました。; - USD/JPY. 大半のアナリスト(55%)の予測が、確かに正しかったことがわかりました。: このペアは、下落する中期チャンネル内でとどまり、上値支持から跳ね返り、センターに向かいました。
ほかの10%のアナリストが、このペアは横に移動した後、104.00あたりでの変動を予測していたことを思い出しましょう。こちらも、正しかったことが判明しました。: 週明け103.95で始まり、同範囲内の103.85で取引は終了しました。; - 暗号通貨. 1月15日の夕方までに、ビットコインチャートが上昇トレンドに戻り、あるいは、下方修正の延長であると言えるでしょう。1月8日、史上高値$41,435になると、1月11日までに$30,600に下落しました。多くのインジケーターで、ビットコインは買われ過ぎであるというシグナルが長期間示され、大きな修正が必要であったことが唯一の弁明になります。米国債利回りの上昇がドルを上昇させました。結果、ビットコインは、僅か三日の間で価格の25%を失ったことになります。
その後、投資家を喜ばせる方へ、再び$40,000近くに上昇し、アメリカが、また、この上昇に対して正式な理由となっていました。より正確に言うと、大統領選のジョー・バイデン氏は、アメリカ人に直接$2,000の支払いを含めた新規の$1.9兆の経済支援を発表したことです。このような大規模な財政金融支援策は、インフレを促進させ、結果として、暗号通貨を含めたリスク資産を増加させます。
良いことには、いつか終わりがあることは知られています。ビットコインの上昇は、1月14日に止まり、新記録を達成できませんでした。そして、ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、グローバルなデジタル通貨市場の規制を求めました。ビットコインの投機的な性質に言及し、規制は、G7で開始され、その後、G20 へ最終的にはグローバルレベルに広がるだろうと述べています。
この状況をアドバンテージとして、弱気相場が優勢、BTC/USDペアは、1月15日の金曜日に $ 35,000水準に再び下落しました。
2021年の幕開けの投資家の動きが鈍いことに注意しましょう。CoinSharesによると、1月の第一週に取引された暗号資金は、僅か$2900万でした。クリスマスの1週間前に$ 10億以上の取引があったにもかかわらずです。もちろん、この静けさは、休暇の一息であると説明できるでしょう。さらに、暗号通貨のクジラも1月8-11日の修正にゆっくり反応しています。: 払い戻し操作は、BTC ウォレットで、ごくわずかな数しか記録されていません。
PayPalのデーターでは、少なくても小売市場は、クリスマスと年明けの休みの後、 徐々に多くなり、1月はじめ以来、950%、約10倍に増加しています。分析会社のNomics によれば、プラットフォーム利用者が2021年の1月1日の僅か$2,280万のBTCを取引した場合、彼らの合計金額は10日後に$2億4200万になります。
暗号通貨資本は、1月15日までで$1兆です (1月10日の高値では、$1.13 兆)。BTCドミナンスIndexは、68%、 Crypto Fear & Greed Indexは、 週を通して95ポイントから 88ポイント下落しました。
今週の見通しについて、多くの専門家の意見と並んでグラフとテクニカル分析を要約すると次のように言えるでしょう。:
- EUR/USD. 連邦準備理事会のジェローム・パウエル議長は、近い将来、金利引き上げや超緩和金融政策に頼るべきではないと述べ、連邦準備銀行の支店メンバーの意見を否定しました。この発言とジョー・バイデン氏の$1.9兆の財政刺激策と相まって米国債利回り上昇を食い止め、S&P500の強気筋を支持する可能性があります。さらに、GDP急成長をリードするワクチンの期待も消えていません。そのため、ウォール・ストリートジャーナルの専門家は、2021年のアメリカのGDPが4.3%増しまでになると見込んでいます。
しかし、これがドルと株式市場の現在の相関関係を壊すことになるのでしょうか?ドル高が止まるのでしょうか? アメリカだけでなく、多くの国からの主要な投資機関によるS&P500の成長の支えを除外したものではありません。米国経済の外国資金の注入は、米国通貨の強さにつながるでしょう。
さて、EUR/USD ペアについて具体的に見ていきましょう。予測を執筆している時点(1月15日)で、ほとんどのインジケーターが赤くなっていることは明らかです。H4のトレンドインジケーターの100%、D1 の75%、と同じく75%のオシレーターといった両方のタイムフレームが下方向です。 残りのオシレーターは、このペアの売られ過ぎを示しています。
専門家に関しては、現時点で意見が同じくらいに二つに分かれます。しかし、週間から中間期での予測では、勝ち相場に傾きます。65% のアナリストは、D1のグラフ分析を支持し、ドルは下落して、1,2ヵ月の間に1.2500-1.2550に上昇すると予測しています。最も近いレジデンスは、1.2175, 1.2275, 1.2300 と1.2350です。主なサポート範囲は、1.1800-1.1900です。
今週の重要な経済指標は、ECBの金利決定とそれに続く1月21日木曜日の規制当局の記者会見でしょう。また、翌日の1月22日に発表されるドイツとヨーロッパ全体の経済活動のデーターも注目です。;
- GBP/USD. ドイツとEUだけでなく、1月22日金曜日は、イギリスの経済活動(サービス部門市場)の統計発表があります。このデーターは、変異種のコロナウィルスの攻撃が、どのようにイギリス経済に影響したか投資家にシグナルを送ることになるでしょう。ロンドンとイギリス南東部の過去数週間の記録的な死亡者数と新しい症状についての以前の報告を思い出しましょう。
しかし、コロナウィルス(COVID-19)関連の問題は、アメリカを含めてほかの国々でも深刻です。そのため、H4 と D1のグラフ分析を支持する60%のアナリストは、このペアが1.3700水準に戻り、おそらく、さらに100ポイント上がるという見方をしています。この上昇の追加的議論は、上記で論じた米国の新規の財政刺激策です。
サポートレベルは、1.3540と1.3450です。; - USD/JPY. 1月前半の2週間で、下方中間チャンネルの下値から上値への上昇は、多くの投資家のリスク感情の増加と安全通貨としての円金利下落に関連しています。これに基づいて、このペアは、指定されたチャンネルの上値支持線を突破し、105.00の水準まで上昇するとされています。アナリストの35% とD1のグラフ分析は、このシナリオを支持しています。強気筋の次のターゲットは、105.70で、最も近いレジデンスは、104.00-104.35水準です。
専門家の大多数(65%) は、指定されたチャンネル内にとどまる見方です。最も近いサポートは、103.60で、次が103.00です。ターゲットは、102.50 エリアです。 - 暗号通貨. 暗号通貨市場の総資本は、現在、$1兆の水準にあります。これは、特に、個人投資家にとって需要な心理的レベルです。この指標のさらなるレベルは、少なくても$50,000までBTC/USD ペアの上昇に確信があることが明らかになることでしょう。資本が減少すれば、これはコイン売りの地滑りが起こる可能性もあります。: 例えば、2018年の暗号通貨の冬は、市場の記憶にあるでしょう。
差しあたって、市場は、まだ楽観ムードに包まれています。例えば、ブルームバーグの暗号通貨アナリスト、マイク・マクグローン(Mike McGlone )氏は、$50,000を本来のターゲットとしています。 彼は、数ヵ月前に予測をしましたが、それによれば、2020年の12月に新たな史上高値を付けるということで、最終的には、それが起こりました。“近く、この資産は、$50,000のバリアを突破すると思う” とこちらの専門家は述べており、BTCの成長の変化は、さらなる弱体化よりも大きいもので、$20,000への引き戻しは、実際には起こらないだろうと付け加えています。
投資会社のPantera Capital のCEO、ダン・モアヘッド(Dan Morehead)氏は、ビットコインは2021年の8月までに$115,000になり、デジタル人民元のような発行イベントが世界経済への暗号通貨の浸透の手助けになると予期しています。
もし、そうなれば、世界に暗号通貨のミリオネアやビリオネアがさらに誕生することでしょう。今のところ、フォーブスによる富裕者リストは次のようです。:
第1位は、ビットコイン取引所Gemini の設立者、ウィンクルボス兄弟。フォーブスによれば、彼らの暗号通貨資産価値は、それぞれ、約$14 億です。$12億ドルでBloq の共同責任者であるマシュー・ロスザック(Matthew Roszak)氏が第2位で、ベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏がそれに続きます。フォーブスによれば、彼の資産価値は、$11億とされています。
第4位は、$6億相当の資産でMicroStrategy の責任者のマイケル・セーラー(Michael Sailor )氏、第5位は、crypto bank Galaxy Digital の設立者であるマイク・ノボクラッツ(Mike Novogratz )氏です。フォーブスは、彼の暗号通貨資産は$4億7800万としています。リストの最後は、$3億6000万相当の資産価値でイーサリアムの創設者、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏です。
イーサリアムと言えば、投資ファンドのDTAP Capital の創設者ダン・タピエロ(Dan Tapiero)氏が、このコインには、さらなる成長の準備ができているとしています。これは、米国の金融機関であるノーザントラストの機関投資家の顧客による関心で裏付けされています。この金融機関は、スタンダード・チャータード銀行と連携して強い暗号通貨のサービスを開始しました。そして、 "ノーザントラストがビットコインとイーサリアムを保管しているなら、両方の資産の購入者がいることになる" とタピエロ氏は続けて、持論を展開しました。
NordFX Analytical Group
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