まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 米国経済の回復の早さや度合いについては、前から述べてきました。しかし、連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は、状況は依然危ういものであり、インフレーションの速度は一時的であると一週間前に警告しました。明らかに、彼は、その時、既に知っていたようです。そして、今なら私たちもわかります。:すべてが見た目ほどバラ色でないことを。
先週発表された米国のマクロ経済指標の大部分は赤で表示されています。ISM製造業景況感指数は、予想されていた65.0 に対して60.7でした。 民間会社の雇用に関するレポートでは、800,000人から742,000人でした。ISM非製造業景況感指数は、予想されていた64.3に対して62.7でした。 非農業部門雇用者数も最悪の事態でした。:3月は770,000人でしたが、4月は予想の978,000人に対して266,000人という予想されていた数字より3.7倍も低いものでした。
もちろん、投資家には米国経済の回復に投資する十分な時間があります。そして、今のところ、ほかの地域に、まずは、ヨーロッパ連合に切り替える時が来たようです。さらに、ヨーロッパでのコロナワクチンの接種率は、より増加しており、EU加盟国は徐々に封鎖制限を解除していて、経済は勢いを増しています。米国と違って、ユーロ圏の小売りは3月のマイナス1.5％から4月はプラス12.0％に上昇しており、納得の数字です。また、これに対する予想は9.6%でした。
上記は、ドルに対して圧力をかけ、ヨーロッパ通貨の強さに貢献しています。その結果、多くの専門 (60%)の予想は、 100%正解でした。: EUR/USD は、再び上昇、5月7日金曜日の夕方には、1.2170を付け6週間高値を更新しました。その後は、少しリバウンドがあり、1.2165で終了しました。; - GBP/USD. こちらの予想も、まさに正しかったようです。このペアは、10週間 1.3670-1.4000の横ばいのチャンネルで移動していました。 多くの専門家も、この通路の中央ゾーンで跳ね返った後、上昇し、上値抵抗線に届くだろうと予想していました。まさに、この通りでした。月曜日に1.3810でスタートし、金曜日には1.4000を付け、これに近い1.3990で今週の取引を終了しました。;
- USD/JPY. 70%のアナリストの先週の予想では下向きでした。 予想では、109.00を下回り、108.40 がサポートでした。まさに、その通りでした。事実、強気筋が月曜日に1週間前の成功を繰り返そうとしましたが、すぐに力尽きてしまいました。このペアは下げに転じ、、5月7日金曜日に108.35でローカルボトムに到達し、108.60で終値をつけました。;
- 暗号通貨. "ビットコインは嫌いだし、市民の利益に反しているよ"とウォーレン・バフェットの友人である97歳の億万長者チャーリー・マンガー氏は言っていました。“もちろん、ビットコインの成功は嫌だね。誘拐犯や強奪者に使い勝手が良く、薄い空気からつくられた通貨は歓迎しないよ。”と強調しました。
97歳の投資家は、今、ウォールストリートの“サメ” だけではなく、“恐竜” になりそうです。仮想資産は、世界で認知されました。:結局のところ、通貨や証券と同じように扱われ、架空ではなく、基盤に慣らされました。 それにもかかわらず、デジタルゴールドのチャリンとなる音が、この惑星のほとんどの各金融センターで既に聞こえています。金融データプロバイダーのS＆Pダウ・ジョーンズインデックスは、ビットコイン、イーサリアムの暗号通貨を基本としたインデックスを立ち上げました。S&P ビットコインインデックスは、SPBTC、S＆Pイーサリアムインデックスは、-SPETH、そして、この資産をダイナミックに追跡していくS&P Crypto Mega Capは- SPCMCのティッカーを受け取りました 。
暗号通貨は、大規模な機関投資家だけでなく、一般的の人々にも受け入れられています。アメリカの金融サービス大手Mastercard は、世界のさまざまな地域の18か国で実施された調査結果を発表しました。データーによれば、消費者の40％が来年度の支払いには暗号資産を利用する予定です。ミレニアル世代の間では、この数字はさらに高く、67％になります。
上記のすべては、デジタル通貨にのみ利益をもたらすように思われるでしょう。しかし、そうではありません。ビットコインは、従来の市場との信じられないくらい相関し始めています。また、ビットコインに続いて、アルトコインも、このバンドに結びついた状態です。つまり、暗号通通貨は、株式市場と同じようにホワイトハウスや米国連邦準備制度によって進められた政策に依存します。財政刺激策 (QE) が削減されれば、暗号通貨市場に流入される資金はすぐに乾いてしまうでしょう。
このようになるまでは、暗号通貨時価総額は順調な上昇を示しています。この1週間で、2,110兆ドルから2,375兆ドル、つまり12.56％増加しました。同時にアルトコイン市場の時価総額では、20％以上の増加を示しました。ビットコインは、依然、人気がありません。1月2日のドミナンスインデックスは72.65％でした。2018年7月以来の最低水準である4月30日は47.87％に達しましたが、現在、この7日間でさらに低くなり44.24％です。;
これらの数字は、多くの投資家が、ビットコインではなく、より大きなリターンをもたらすアルトコインに集中していることを示しています。
BTC/USDは、この一週間で再び 60,000ドル 台に届きませんでした。しかし、急激に上がる度に、下げに転じています。このペアは5月5日に52,950ドルの水準まで下落しました。しかし、イーサリアムは、DeFiセクターの人気を受けて、ETH 2.0の前夜と同じく高値を更新しています。すなわち、このコインは、過去3週間で80％以上の上昇を示しています。発明者である27歳のVitaly Buterin氏は、世界最年少の富裕者であり、暗号通貨で財を築き上げました。フォーブスが注目したように、Buterin氏の財産は2020年初めには、約25倍に膨らみました。
ライトコインはイーサリアムと同じペースです。私たちは、今年の初めに、このコインの十分な上昇の可能性を指摘しました。議論では、既に高値更新を続けているビットコインと違い、ライトコインは2017年12月の371ドルという最高値からまだ非常に遠いということでした。そして、ついに、LTC / USDが今週再びトップになりました。 5月7日、過去10日間で75％の上昇を示しています。
今週の見通しに関して、多くの専門家の意見の要約及び様々なテクニカルな方法とグラフ分析を基にすると次のように言えるでしょう:
- EUR/USD. つまり、市場は、再び、株を買い、ドルを売る人に支配されています。既に、述べましたが、パンデミックの際に安全資産の主な役割のドル安は、2013年以来の高い2.4％を超えるインフレ期待の伸びにより促進されました。巨額な資金注入は、米国GDPの記録的な上昇に伴い信じられないほどのリスク感情と投資家の注目が株式市場へ向かうはずです。S&P500 とダウ・ジョーンズは、再び、記録更新です。それぞれ、4,238と- 34,732ポイントです。ユーロも共に1.2170を付けて上昇です。
しかし、あまりにも早い株式指数の上昇とドル安がより速く財政刺激策の削減を米連邦準備制度理事会に促す可能性があります。そのため、ダラス連邦準備銀行のロバート・カプラン総裁によれば、金融市場の不均衡は、量的緩和政策を折りたたむ課題を後にするよりも先に提起する方が良い方向へつながる可能性があるとしています。そうでなければ、米国の金融システムはストレスにさらされる可能性があります。
近い将来に対する専門家の意見に関しては、60%がD１のグラフ分析と 同じでEUR/USD は1.2000圏内の強いサポートに向けて修正、そして、それを突き破れば、さらに100ポイント下落すると予想しています。近似サポートは、1.2055です。
残りの40% のアナリストは、D４のグラフ分析と同じで、このペアの上昇トレンドは続くと見ています。近似ターゲットは、2月の高値1.2245で、次のターゲットは、1月6日の高値1.2350です。
テクニカル分析に関しては、次のとおりです。: H4とD1の100% のトレンドインジケーターとオシレーターは、このレビューの執筆時点（5月7日金曜日の夜）で緑色です。残りの25% のオシレーターは、このペアの買われ過ぎのシグナルを示しています。
来週のイベント（それほど多くはありませんが）では、5月12日水曜日と5月14日金曜日に発表される米国の消費者市場に関するデーターに注目する必要があります。ドイツの消費者市場に関するデーターも5月12日に発表予定です。 ; - GBP/USD. 来週のこのペアの予想は、前述のペアとは正反対です。ほとんどの専門家は、一週間前にこのペアは1.3670-1.4000のチャンネル中央値から上値抵抗線へと上昇すると予想しましたが、現在は、70％のアナリストがグラフ分析と同じで1.3800の中央に戻ると予期しています。5月6日の会合で金利と量的緩和（QE）政策の量を変更しないとしたイングランド銀行の決定がこれを助けるはずです。
確かに、規制当局は資産買い戻し率を下げて景気回復の速度について楽観的です。しかし、ポンド需要は生産量の回復と2％のインフレ率の兆しが明らかになるまで金利据え置きにより尻込みさせられています。量的緩和政策の削減に賛成票を投じたのは、イングランド銀行のチーフエコノミストであるAndrew Haldane氏だけでした。しかし、彼の支持は今月引退するため 意味がありません。
30% の専門家だけがGBP/USD は、10週間の取引幅を突き抜け、1.4000水準を上回ると考えています。この場合、2月24日の高値である1.4240まで急騰し、途中の抵抗レベルが1.4085と1.4180になるでしょう。
テクニカル分析に関しては、測定値がEUR / USDと非常に似ています。: H4 と D1の100%のトレンドインジケーターとオシレーターの85% は上向きです。残りの15％のオシレーターは、このペアの買われ過ぎのシグナルを示しています。
今週の経済指標カレンダーを見ると、私はイギリスのジョージ6世に捧げられた映画「英国王のスピーチ」を思い出します。アンドリュー・ベイリー総裁の声明が5月11、12、13日とありますが、それは、イングランド銀行総裁のスピーチだけでなく、一連につながります。しかし、投資家は 自分たちの感情に大きく影響する彼の発言から何かを聞くことはなさそうです。もちろん、5月12日水曜日に公表される英国GDPと消費者市場データーは、より興味深いでしょう。;
- USD/JPY. 二つのタイムフレームでのインジケーターの読みは、非常に雑然としているようです。H4のトレンドインジケーターだけが、明らかに下向きです。: 85%が、ここでは赤です。グラフ分析では、ボラタリティで段階的な減少と108.35-108.50圏内でこのペアの統合を描写しています。しかし、アナリストの70%は、3週連続で弱気です。サポートは、108.40 と107.85水準、ターゲットは、107.45です。
強気側の残りの30%は、このペアが再度、 109.00のレジデンスを上回り、109.00-109.65圏内での足固めを期待しています。; - 暗号通貨. レビューの冒頭で述べたとおり、多くの投資家はビットコインからアルトコインへ注目を移しました。BTC/USDは、未だに50日間の移動平均を突破し、60,000ドルを上回る上昇をしていません。しかし、これが新しい暗号通貨の前触れなのでしょうか?
ドミノのようにビットコインが崩壊すれば、ほかのコインもそれに続くかもしれません。しかし、今のところ、ビットコインの上昇期待は、とても現実的です。ドミナンスインデックスは、年初以来72.65% から44.24% に減少した事実にもかかわらず、取引量は非常に多くなっています。: 約700億ドルです。Crypto Fear & Greed Indexは、64ポイントで"貪欲"のレベルですが、買われ過ぎには未だに遠そうです。
中期的には、米国証券取引委員会（SEC）がビットコインに関する決定を延期するという事実が-ETFがビットコインに対抗するかもしれません。しかし、多くの専門家は未だに楽観的です。そのため、有名な暗号通貨トレーダーであり、ストラジストのMikael van de Poppeは、ビットコインの将来に大胆予想をシェアしています。 “私たちは、今、強気サイクルで、特に米ドルのインフレで弱気市場に傾くことは難しいと私は確信しています。” と彼は述べています。
“機関資金が流れ込んでいる事実を考えると、ビットコインはさらに普及するでしょう。これは、現在、非常に需要があるのに対して供給が少ないため価格は上昇につながるとVan de Poppe氏は続けます。 - ビットコインは、300,000ドル あるいは500,000ドルのどちらになると思いますか？ 私も同感です。単純に計算すれば、ビットコインのピークは、500,000ドルになるべきでしょう。サイクルのトップにおけるデーターを考えてみると、 平均レートは$250,000上回ると想定できます。そして、年内に$350,000 - $450,000になる可能性があります。” “しかし、さらなる長い遠回りになるでしょう。” と専門家は注意深く付け加えました。
JPモルガンのエキスパートは、将来的にイーサリアムはビットコインよりも、より有能になるかもしれないと見ています。このアルトコインが外的要因に、より抵抗性があることに注目しています。反対にビットコインは、市場のほぼ全ての主要な変動に反応し、すぐに修正に結びつきます。長いマイナス傾向でビットコインの投資家は、すぐに払い戻しを始めます。
JPモルガンのアナリストによれば、“ビットコインは、とても用途が狭く、それは多くの要因から明かです。ほとんどは、投資資産としてよく利用されています。主なすべての新しいプロジェクトは、イーサリアムをベースにして作られています。それは、より流動性があります。ETHは、スポット市場で最近、非常にポジションを増やしています。イーサリアムのもう一つの利点は、かなり大きく開発されたエコシステムです。“と述べています。
NordFX Analytical Group
注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあり、結果として入金した資金を全て失うことがあります。
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