まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. D1のこのペアのチャートを見れば、直近8週間は上昇傾向にあると言って差し支えないでしょう。しかし、H4やH1のより狭いタイムフレームだと、1.2125-1.2265の幅で動かず、直近2週間は“横ばい”であるのは明らかです。5日間の最後の鐘は、このチャンネルのピボットポイントエリアと同じく、将来のガイダンスがないまま1.294水準で鳴りました。
過去1週間のマクロ統計は様々で、つまり、このペアの上方あるいは下方への原動力になりません。アメリカの失業保険の申請件数は減少が続いていますが、不動産市場での売却契約件数は下がっています。資本財受注(防衛・航空除く)が上昇の一方で、耐久財受注は減少しています。米GDP (Q1) に関する年次データーは、同じレベルで維持しています。そのため、投資家はどうしたらいいのかわかりません。
昨年の春に、連邦準備制度がドル安で市場を満たしたとき、政策は完全に理解できるものでした。: 経済を危機から救い、国民の購買力を支えること。1年が経過し、不況は終わり、株価指数は急上昇し、失業率は低下、インフレは勢いを増しています。しかし、連邦準備制度は、設定目標に未だに達成していないと主張し続けているため、金融刺激策 (QE) の削減は時期早々です。では、投資家は余剰資金をどうすればいいのでしょう?
これらの資金の一部は、S&P500を4200以上、ダウ・ジョーンズを3450以上にもたらし、長期的に買われ過ぎていた株式市場へ向かっています。また、ほかには、4,853億ドルがゼロ金利で中央銀行に放置されています。これは、金融刺激策により、アメリカだけでなく、ヨーロッパを含めたほかの国々でも起きていることなので注意すべきです。その結果、大量のドルとヨーロッパおよびその他の通貨の両方が、アメリカ人だけでなく外国人投資家の中で落ち着くことになりました。市場は、疑念に陥ったことが、EUR/USDチャートでも明らかです。; - GBP/USD. GBP/USDの動きは、前述のペアと同じ要因により影響されます。また、ユーロ同様にドルとペアになっている英国通貨は1.4075 から 1.4220 の範囲の変動で2週間横ばい傾向です。しかし、ヨーロッパ通貨と異なり、ポンドの強気筋の動きは、非常に大きいものでした。これは、イングランド銀行の利上げが予想よりも早まることが期待されての促進です。
イングランド銀行のマネージャーの一人であるGertjan Vlieghe氏は、5月27日の木曜日に2022年の前半に利上げの可能性があると公表しました。同時に、当局は労働市場が予想よりも早く回復した場合にのみ発生すると明言しています。
投資家の楽観的な見方は、コロナウィルスの最新統計が6月21日の閉鎖解除の調整の必要はなしとしたボリス・ジョンソン首相のコメントにより加わりました。これらの発言の後、このペアは36ヶ月高値1.4188に近づき、取引を終えました。; - USD/JPY. 過去の見通しでは、ドル高支持の専門家は僅か25% でした。しかし、強気と弱気のバトルで、6 月 27 日木曜日に 1.57% から 1.62% に上がった10 年物米国債の利回りの上昇に強く支持されました。安全通貨である円は、このような変化にいつも圧力がかかります。特に日本国債10年利回りが僅か0.25%であることを考慮すればなおさらです。
円は、日本経済の回復の遅れにより懸念されたことでも圧力がかかりました。これは、政府が東京を含め一部都市に6月20日までの3週間の緊急事態宣言の延長を計画しているとメディアが発表したことによるものです。さらなるドルの支持は、6兆ドルのジョー・バイデン大統領政権の米予算によって支援されました。
結果、 USD/JPYは108.55-109.75の範囲を突破し、上昇、110.20に達し、直近2週間の高値更新になりました。今週の終わりは、少しだけ下げました。: 109.83レベル; - 暗号通貨. 現在は、2014 年と 2018 年の仮想通貨の冬の始まりと多くの類似点があります。しかし、多くの違いもあります。つまり、2021年の冬に入ったことを目撃しているとは断言できないでしょう。むしろ、この一ヵ月前を遅い秋と呼び、その後、冬を越して、春がすぐに始まるでしょう。
市場は、中国の仮想通貨のマイニングと取引の取り組みにおける継続的な圧力下にあります。例えば、内モンゴル地区によって発表された書類の8段落がこのことを理解するのに役立ちます。 (ケンブリッジ大学によると、この地域はビットコインの計算能力が三番目に高い地域です)。
そのため、工業団地とデータセンターはエネルギー消費の削減を命じられ、通信会社はライセンス取り消しの脅威下でマイナーとの協力が禁止されています。また、当局も不法なマイナーを起訴することを約束しています。暗号通貨によるマネーロンダリングや資金調達も同じく適用されます。さらに、リストには領土内でマイニングが明らかになったインターネットカフェは閉鎖になると記されています。暗号通貨のマイニングの関連活動を行う企業とその幹部は、不信人物のリストに含まれる可能性があり、マイニングを支援する公務員は懲戒処分の対象となります。
ロイター通信によると、主なマイニング会社であるBTC.TOP と HashCow は、このような法規制の強化の下で中国での事業を縮小しています。HashCow は、現在の運営を今のところ停止していませんが、新規ファームの購入は拒否しています。
BTC.TOPに関しては、この会社は中国での完全な業務停止を発表しました。
その一方で、良いニュースもあります。市場は、5月に2回の深刻な下落を経験したため、イーロン・マスク氏が再び上昇へのサポートをしました。北米の多くのマイニング会社が彼とMicroStrategyの責任者であるMichael Saylor氏が主宰したミーティングを持ち、温室効果ガス排出量を削減することを目的とした ビットコイン マイニング カウンシルの設立を決定しました。
初期のビットコインのマイナーの一人であるMarshal Long氏は、マスク氏が"とても、とれも、小さなハッシュレート,"を管理している間違った企業とはなしていると述べ、この動きを批判しています。Long氏によれば、ビリオネアが状況を変えたいのであれば、ハッシュレートの約15%を管理する非営利団体のテキサス・ブロックチェーン・アソシエーションのメンバーと交渉する必要があるとしています。
しかし、それはさておき、ビットコイン マイニング カウンシルを創設するという決定は肯定的な結果をもたらしました。: CoinGecko のサービスによると、この背景において暗号通貨市場の時価総額は約14%上昇し、ビットコインの価格は約12%上昇しました。 BTC/USD は、5 月 26 日に週の最高値 40.865 ドルで取引されていました。$41,000のマークは超えることができず、金曜日の終わりには再び$35,000付近に下落しました。
Crypto Fear & Greed インデックスは、 5月24日にちょうど10ポイント下げ、12ヶ月ぶりの安値で市場の “非常に不安” のラインです。しかし、インデックスの下落に伴い、大幅値下げを期待する投資家からの新規購入の可能性も上がっています。今回も起こりました。底からの反転で、相場は上昇しました。インジケーターは、5月28日金曜日午後に21ポイントあたりで"不安" 圏内です。つまり、ビットコインの将来の上昇の可能性は、未だに拭いきれません。
仮想通貨市場の時価総額は、5月12日に2.560兆ドルに達しピークでした。しかし、その後の暴落、5月28日のこのレビューの執筆時では、市場は40%以上を失い、1兆5290億ドルにまで減少しています。この短期間で約 100 万件のレバレッジ取引が清算されました。
5月のbitcoin dominance インデックスの最低値は、3 9.22%でした。現在は、少しだけ上昇し、43.11%です。 また、不安定なアルトコインの売りのおかげで、さらなる上昇が続く可能性があります。
多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:
- EUR/USD. ゴールドマン・サックスとドイツ銀行は、USDインデックスが下落した2002年から2007年現在の状況が似ているとしています。アナリストによれば、投資家は時間の経過と共に、より魅力的な国際資産を求めており、EUR/USD の上昇トレンドは、新たな高まりとなるでしょう。
しかし、モルガンスタンレーの専門家は逆の考えです。現在の出来事は 、大幅な経常赤字に直面しドル高となった1980 年代と 1990 年代に似ています。そして、現在、GDP関連の赤字は、2008年以来最大です。これは、金融刺激策により、アメリカの輸入が輸出より大幅に伸びていることが要因です。しかし、DXYドルインデックスの強気相場は、ヨーロッパや世界経済と比較して米国経済の動き上向きであることから、米国通貨やその他の資産に対する投資家の関心が高まることを期待しています。
50%のアナリストは、短期的にはこの見解を支持しており、ドル高でEUR/USD は1.1985-1.2000 圏内に下落予想です。近似サポートは1.2130 と1.2060です。30%の専門家は、 1.2125-1.2265の横ばいの継続、ほかの20%は、このチャンネルの上値抵抗線を抜け、このペアの年高値1.2350への上昇を支持しています。
週間から中期予想になると、ドル高でペアの下落の支持数は、50% から70%へと増加します。
H4に関しては、完全なる不一致です。D1は、まだ、緑が支配しています。オシレーターの50%もこのようであり、さらに、25% は、赤、残りの25%はニュートラルのグレーです。D1のほとんどのインジケーター (75%)は、上を指しています。
来週は多くの重要な経済情報が予想されます。 5 月 31 日月曜日はドイツの消費者市場に関するデーター、翌日火曜日にはヨーロッパ全体の同様の統計が発表予定です。また、6 月 1 日は、米国のISM 製造業景況指数があります。
ドイツの小売売上高データーは 6 月 2 日水曜日に発表されます。6 月 3 日木曜日は、民間部門の雇用水準に関するレポートと米国のサービス部門における ISM 非製造業景況指数の発表があります。6月4日の週の
終わりには、ユーロ圏の小売売上高、米国非農業部門雇用者数(NFP)のデーターがあります。;
- GBP/USD. 専門家の一部(60%) は、Gertjan Vlieghe氏のかなり具体的な利上げに関する発言を受け、ポンドは近いうちに36ヶ月高値1.4240を更新すると信じています。彼らの予想を支えているのは、イングランド銀行が5月の初めの経済回復のペースに関する予想を改め、経済は年末までには危機前の状態に戻るべきであると認識です。
対照的に、ほかのアナリスト (40%)は、すべてが漠然としていて2022年の前半までは依然、はるか遠く、この間に何が起こるかわからないと考えています。総じて、喜ぶには、まだ、早すぎるでしょう。特に、海外も寝ていないので。つまり、ドルに賭け、 GBP/USD は下落を予想しています。近似サポートレベルは、1.4175、1.4135 、 1.4100です。ターゲットは、1.4000です。
テクニカルインジケーターは、まだ、強気側です。D1のオシレーターでは75%、トレンドインジケーターでは 95% です。グラフ分析では、1.4240のレジデンスから下方へ反転した後、1.4000のサポートへ下落を示しています。
今週のイベントに関しては、6月1日と3日にあるイングランド銀行のンドリュー・ベイリー総裁による二つのスピーチが注目され、投資家は利上げに関する新たな約束を待つでしょう。6 月 3 日木曜日に予定されている英国のインフレ報告の公聴会も興味深いでしょう。; - USD/JPY. このペアのテクニカル分析の読み取り値は、グリーンピースと呼ばれることがあります。H4のオシレーターの90%とトレンドインジケーターの95% と同じくD1 のオシレーターの 75% とトレンドインジケーターの 95%は緑色です。強気側の感情も専門家の60%に指示されています。近似レジデンスは、110.00, No. 1 ターゲットは、先週の高値110.20、No. 2 ターゲットは、21週高値の110.95です。
40%のアナリストは弱気側で、このペアが108.55-109.75へ戻ると予測しています。下値支持線を突破すれば、次のターゲットは107.50です。; - 暗号通貨. – ビリオネアでCarlyle Group の共同創業者であるデイビット・ルベンシュタインによれば、ビットコインが完全に消滅する可能性はほとんどないそうです。資産価値がほぼ無いとしても、インフラストラクチャーの需要は依然あるでしょう。コインの価格の上昇が続くなら、仮想通貨に反対の中央銀行も検討を始めます。
“新しい資産タイプは、興味がすぐに消えてしまうようなただの一時的な流行ではありません。私たちは、既に数千億ドルについて話しています。もとはデジタル決済を意味していたコインは、本格的資産になりました”とビリオネアは信じています。
Glassnodeのデーターは、クジラによる長期ポジションの蓄積とOTC市場からの大口投資家の流出も ルベンシュタイン氏の言葉を裏付けています。これは、ビットコインに続いて暗号市場全体の本物の自然降下を防ぐ非常に大きな下落の後の蓄積資産の別の段階を示しているかもしれません。
多くのインフルエンサーも楽観的です。投資会社のArk Investのゼネラル・ディレクターであるケイティ・ウッド氏は、自分の予測を再度確認しています。彼女は、何があっても、ビットコインは$ 500,000に達すると未だに確信しています。
ウッド氏は、最近の修正により、SEC(米国証券取引委員会)がビットコインファンドを承認する可能性が高まったと語っています。ポイントは、値札の低い商品ほど、承認の可能性か高くなることです。
さらに、ケイティ・ウッドは、仮想通貨市場の崩壊を引き起こしたイーロン・マスクの発言について語りました。彼女は、BlackRock などの株主から ビットコインの価格を下げるように圧力をかけられたことを示唆しました。しかし、Ark Invest の責任者は、マスク氏が暗号通貨の投資家コミュニティに戻ってくることを期待しています。
一部の専門家によると、イーサリアムの未来は益々、バラ色のようです。NYUのスターン ビジネス スクールのAswath Damodaran教授は、イーサリアムはビットコインよりも取引所でのトレーディングに適していると考えています。専門家によれば、イーサリアムのエコシステムは、より柔軟で、特にボラティリティが大きくなる環境ではトレードをより簡単にさせます。
Damodaran氏は、 取引上での多くの小さな資産は、取引が速いのでビットコインより取引がしやすいことに注目しました。ビットコインネットワークは、より複雑で法定通貨取引の基準から見ても取引には時間がかかります。つまり、ビットコインは投資的グローバルな資産としてより適していると専門家は信じています。
そして、レビューの最後は、少し統計です。ドージコインミーム暗号通貨は、イーロン・マスク氏により、おそらく米国市民の間ではイーサリアムより認識されました。
これは、Harris Poll と CouponCabin が実施した共同調査の結果によって証明されています。
2000人以上のアメリカ成人が参加した調査では、ほとんどの人 (89%)が暗号通貨を少なくとも一度は聞いたことがあります。回答者の71%はビットコインを知っていて、ドージコインは29%、イーサリアムは21%だとわかりました。USD Coinのステーブルコインも同じ 21% です。調査に参加した約18%は、ライトコインに精通しており、10%が Stellarの存在を聞いたことがあります。
23%はデジタル資産を素早くリッチにさせてくれるスキームとして考えており、回答者の約1/3 (31%)は、暗号通貨は将来のマネーになると確信しています。
NordFX Analytical Group
注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあり、結果として入金した資金を全て失うことがあります。
戻る 戻る