まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 先週のカギとなる日は、6月10日の木曜日でした。この日、二つの重要なイベントがありました。: 欧州中央銀行の会合と消費者物価指数の発表です。では、順番に見ていきましょう。
欧州中央銀行は、2021年度のユーロ圏のGDPを4.0%から4.6%、2022年度を4.1%から4.7%へ引き上げました。インフレーションについては、今年は1.9%、翌年は1.5%までの上昇が予想されています(前回の予想では、1.5% と1.2% )。一方で、経済の回復ペースは、特に米国と比べ大きく遅れをとっているため、ラガルド総裁から特に印象を受けていません。欧州中央銀行の総裁も急激なインフレーションの高さは一時的な現象であると考えています。価格は2021年第三四半期と第四四半期と上昇が続きますが、 “一時的な要因は消える”ため、下がっていくでしょう。つまり、ユーロ圏の全体的なインフレは、 “終始予想範囲”で目標以下にとどまるであろうと彼女は見ています。
その結果、欧州中央銀行の会合の結果は… ありませんでした。議論にもかかわらず、銀行の理事会は、量的緩和政策の縮小に関しての何ら決定を下さず、現在の刺激策のままです。 ユーロの金利は、据え置きの0%です。 しかし、ラガルド総裁が望んでいた: ユーロ高を防ぐ目的が達成されたのは、このような受け身によるものです。
そして、次に木曜日にあった二番目のイベントについてです。- 消費者物価指数 (CPI)の発表。 市場の反応に関しては、まさに、当局による新規の金利発表時に似ていました。CPIの数字は、予想より高く、12年以上の最も速い米国の物価上昇を示しています。
このようなインフレの上昇は、投資家を恐怖にさせますが、まったく正反対のことが起きました。: S&P500インデックス高値上昇で4250 (ちょうど一ヵ月前の4244 に対して)を付け、10年利回り国債は三ヶ月安値となりました。
EUR/USD では、弱気筋が勝ちました。理論は次のようです: ECB がヨーロッパの量的緩和政策引き下げの決定を延長しましたが、米国ではインフレの急上昇によりFRBがこの方向に一歩踏み出す可能性があります。また、ほかのいくつかの目標は、来週の水曜日、6月16日の当局の会合で明確にされそうです。金融引き締め期待はドルを押し上げました。弱気筋のさらなる強さは、6月11日に発表された米国のミシガン大学の消費者信頼指数の上昇によるものです。結果として、ドルはユーロからおよそ100を戻して、EUR/USD は、4週にわたる下値支持線1.2125-1.2265のすぐ下のおよそ1.2108で終了しました; - GBP/USD. ペアを押し下げているアメリカの統計は上記で述べました。イギリスのパフォーマンスに関しては、それほど単純ではありません。6月10日火曜日に発表されたデーターはポンドを支持し、製造業PMIは、英国の工業製品と貿易の強さを示しています。しかし、翌日発表されたマクロ統計は投資家を刺激しました。
経済回復の中心が製造業と住宅業からサービス部門へ移り変わりました。つまり、ワクチンと閉鎖措置の緩和のおかげで、活動が増え予想を上回っています。しかし、ほかの経済部門での数字は、このようにバラ色ではありません。
建設業件数は2%減少である一方、4月の工業製品は1.3%落ち込みました。2020年の同じ時期と比べると、27.5%増加です。上昇の証のように見えます。 しかし、多くの専門家よれば、満足できるものではないとしています。絶対値の比較だと、2020年より3%、2019年3月の高値より6.5%低くなっています。これは、この部門の停滞が明らかに、コロナウィルスだけでなく、ブレグジットによっても引き起こされことを物語っています。
これらの多方面の統計でGBP/USDは、1.4075-1.4220 横ばいの流れから抜けることができず、最後の地点は1.4115でした。; - USD/JPY. 109.50で5日間を始め、109.70で終了しました。一方で、このレベルを常に下回ると、109.18-109.30圏内のサポートで跳ね上がりました。しかし、米国の強い統計のおかげで、このペアは、今週末には109.85まで上昇しました。 しかし、このスパートを考慮すると、45ポイントの週内の変動は控えめ以上です。;
- 暗号通貨. 暗号通貨市場は、落ち着いています。ビットコインは三週に続き、およそ$36,000-37,000で固めています。6月8日の弱気筋の相場下落の試みは失敗で終わりました。: 到達できた最安値は、$31.065でした。そこには、ほんの数分とどまっただけで、BTC/USDは$38.325に上昇、それから足固めエリアに戻りました。
イーロン・マスク氏が今週のニュースに戻ってきており、市場感情に何らかの影響を与える可能性があります。テスラ社とスペースX のオーナーは、匿名のハッカーグループから動画を受け取ったとされています。それには、暗号通貨に関する彼のツイートで普通に働いている一般の人々の生活が台無しにしなり、彼らの夢がマスク氏の公共での癇癪で打ち砕かれたとしています。
動画の男は、グループでおなじみの声を変えたガイ・フォークス・マスクで、彼を先見の明があるふりをしているが実際は必死に注目を浴びようとしているナルシストリッチマンであり、ビリオネアの悪党ボンドと呼んでいました。動画は、マスク氏が、州からの補助金をテスラ社が失うという理由だけでビットコインを手放したとしています。そして、ハッカーは業界をコントロールしようとビットコインマイナー評議会を創設するマスク氏の最近のイニシアティブを話題にしています。
動画は既に約200万回再生回数が記録され、チャレンジと共に終わります。: “あなたは、自分自身が一番賢いと思っているでしょうが、今回はあなたに匹敵する相手と対戦します。私たちは匿名です! 私たちは軍団です! 私たちを待っていてください"
もう一つのニュースメーカー、分析ソフトウェアプロバイダーのMicroStrategy Inc.は、2028年に満期を迎える4億ドルの転換社債の募集を発表しました。資金はビットコイン購入に使われます。
Bitcoin TreasuriesによるとMicroStrategy は、現在現在33.7億ドル以上の価値の92,079 BTC を保有しています…暗号通貨資産の補充の歴史研究では、会社が市場でナンピンに向かうことが明らかになっています。また、これは資金の借り入れで起こります。
ナンピンとはむしろリスクのある投資方法だと考えられています。ご存じない人のために、簡単に説明しましょう。ナンピンで3 BTCの購入の場合です:まず、最初に $5,000で1コイン、次に、$20,000で1コイン、そして$35,000で1コインを購入します。この場合の1コインの平均価格は$20,000 ($ 60,000/3)です。そこで、もし、相場がこの価格以下なら、あなたは損をします。 これが一部の専門家が、MicroStrategy が"薄い氷の旅"を始めたという由縁です。
この予想の執筆時点でBTC/USDは、$37,000圏内です。Crypto Fear & Greed インデックスは、コインと同じく、 "地固め"を始めています。: 5月28日は21ポイント、6月4日は27ポイント、6月11日は再び21ポイントで平均的に不安とインジケーターが反応しています。
10,332ある暗号通貨の中で、ビットコインは暗号市場の時価総額のシェアを減少させているにもかかわらず、依然、 大きな差をつけています。Dominance index は、この時点で44.03%です。 デジタル通貨市場の全体の時価総額は、1週間で1.663兆ドルから1.585兆ドルに減少しました。
多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:
- EUR/USD. 上記で述べたように、ECBの理事会では量的緩和(QE)政策を減らすことについて何ら決定をしませんでした。しかし、 Fed は6月16日水曜日の会合でこの課題を議論することもでき、その結果、"ロードマップ"を発表するかもしれません。詳細なロードマップの発表がないにしろ、少なくても特定のステージが示されるでしょう。もし、これが起こった場合は、ドルの急上昇が予想でき、EUR/USD は1.2000水準に下落が予想されます。次のサポートは、1.1945、そして、1.1880-1.1900圏内です。
インフレーションの上昇と米国労働市場の現在の回復が再び経済政策を引き締めるためのすべての要因でないという一般的な言い回しでFedが避けた場合は、その後、このペアは1.2125-1.2265 の上値抵抗線まで戻るかも知れません。強気筋の次の目標は、年高値 1.2350までの上昇です。
つまり、すべての市場の注目は、現在、このイベントに集まっています。アナリストも終わるまでは予見を避けています。グラフ分析も同じく混沌としています。トレンドインジケーターでは、D1で55%が赤、H4だと100%です。オシレーターだと若干違ってきます。ここでは、 60%が二つのタイムフレームでともに下向き、20%がニュートラル、残りの20%は売られ過ぎを示しています。
6月16日の Fed の会合とコメントに加えて、ドイツ消費者物価指数と米国小売売上高が今週あります。共に、6月15日火曜日に数字が明らかになります。; - GBP/USD. イングランド銀行は、現在、どちらに進むか難しい選択に直面しています: 金融刺激策を続け経済成長をサポートするか、あるいは、既にコロナウィルス前の水準を超えているインフレーションと価格の戦いを始めるかです。
ECB と Fedを見ると、今のところ、前者の選択を好み、後者の選択を後回しにしています。英国製造部門の停滞という新たな傾向はイングランド銀行の同種の例に従うべきだとうことを示しています。特に、この国のコロナウィルスのカーブが再び急に上昇し、6月21日に予定していた閉鎖措置の全域取りやめにつての議論が増えています。
これが起きれば、ポンドは強い圧力にさらされます。しかし、Fedの会合-ほとんどすべてのドルペアのカギとなる今週のイベントは6月21日前の6月16日です。 EUR/USDの場合と同様に、専門家の意見は、現在、共通点での購入はほぼ不可能です。グラフ分析も1.4075-1.4220の範囲でこの数日は横ばいの続行を示しています。オシレーターは赤が少しだけ多く占めていますが、両方のタイムフレームは多方向のシグナルを示しています。D1のトレンドインジケーターは、同等に分かれています: 50%が上向き、50%が下向きです。 また、圧倒的多数はH4のトレンドインジケーターだけで: 85%は赤色です。
弱気筋のターゲットは: 1.4075、1.4000、それから、1.3900-1.3925 圏内の安値です。強気筋のターゲットは: 1.4185-1.4225 と 1.4250で、1.4300のレジデンスを突破すると2018年の高値更新です。
来週の重要なイベントは: 6月15日火曜日の英国労働市場統計の発表とイギリス銀行のアンドリュー・ベイリー総裁の発言、それと6月16日水曜日のこの国の消費者物価指数です。; - USD/JPY. 週予想だと、多くの専門家(60%) は、ドル高支持でこのペアは110.00-110.30圏内の上昇です。グラフ分析とH4のオシレーターの65%と同じくH4とD1のトレンドインジケーターの100%はこれを支持しています。
残りのアナリストの40%はD1のグラフ分析と同じく、 108.00-108.35のサポートへ下落予想です。次の強いサポートは107.50です。
月次予想になると、画像は鏡のように変化します: ここでは、既に60%が弱気筋です。 残りの 40% は強気筋でそのうち半数は、このペアが111.00 に上昇し、3月31日の高値を更新すると考えています。
来週のイベントに関しては、日本銀行の金利決定とその後の記者会見が注目されます。しかし、銀行の金融政策が市場感情に深刻な影響を与える可能性は、ほぼゼロです;
- 暗号通貨. ゴールドマンサックスの専門家はビットコインの格付けを金から銅に格下げました。彼らによれば、ビットコインは貴金属のような強力なサポートがないため、まだ金と同等に扱うのは難しいとのことです。コモディティの専門家のジェフ・カリー氏は、ビットコインのボラティリティがグローバル市場の本質的な銅の価格に非常に似ていると説明しました。
以前、似た見解をJPモルガンの専門家が表明していました。彼らによれば、ビットコインは循環商品なので貴金属や法定通貨と競合できません。投資会社はこれを知り尽くしているので、ポートフォリオにはビットコインやほかのデジタル資産を数パーセントだけ組み込んでいます。
銀行家の見解と反対の視点では、暗号通貨取引所Gemini のCEOでビットコインのビリオネアであるTyler Winklevoss氏によって説明されています。 彼は、ビットコインはまだ、発展の初期段階であると考えています。 “ビットコインは金 2.0である” “そして、市場の時価総額は、金とまさに同じく10兆ドルを超えです。現在は、1兆ドルレベルであり、つまり、成長は10倍以上になる可能性があります。" とWinklevoss氏は述べています。
彼の見解では、およそ$35,000 ですら長期投資を始める素晴らしいチャンスです。10兆ドルの資本金の場合、1 BTC は$500,000の価値に今後10年あるいは5年以内になるでしょう。
“私たちは、少なくても$500,000で保持し、それでも、この資産を貸したり、担保などにするため売却する必要はないでしょう。” とビリオネアに付け加えています。また、その後、彼は自分の空想の世界に飛び込み、ビットコインが将来的に惑星間で取引されると主張しています: “ビットコインは進化を続け、さらに多くのことを達成するプロジェクトです。グローバル、あるいは、火星に到着すればいくつかの惑星間での準備デジタル通貨にさえなる可能性もあります。"
もう一人のビリオネアであるAvenue Capital Management の創設者Mark Lasry 氏による予想 (むしろ無いものに近い) では、よりありふれたものです。彼によれば、暗号通貨市場は既に形成されており、脅かすものは何もなく、2021年の急成長は彼の期待を超えるものでした。そうは言っても、 “正直、私にはビットコインの向かう先がわかりません” とLarsy 氏は明かしています。 " $100,000に上昇することも納得できますが、$20,000の下落も納得できます"。
そして、これについての彼との議論は難しいです。少なくても、現在の状況でのデジタルゴールドの動向は納得できます。2つの信頼できる予想を思い出すことで事足りるでしょう。:
: アメリカ企業のFundstrat アナリストによれば、5月にビットコインは下落したにもかかわらず、近い将来$50,000 に達する可能性があり、
- そして、JPモルガンファイナンシャルホールディングのストラテジストNikolaos Panigirtzoglou氏は、ビットコインの基本的な評価額は$24,000- $36,000圏内と確信しています。
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そして、最後に、不定期ではありますが、いつもの暗号通貨ライフハックです。紛れもなく、今週、暗号通貨だけでなく、法定通貨も適用されます。NordFX提供の抽選会の参加で、あなたの予算がかなり大きくなるチャンスです。当選本数は合計100本、当選総額は$100,000です。第一回抽選日は、2週間後の7月1日なので、まだ、参加できます。詳細はNordFX ウェブサイトでご覧ください。
NordFX Analytical Group
注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあるため入金した資金を全て失う可能性もあります。
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