まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 先週発表された労働市場と米国経済のデーターは、あまり前向きではありませんでした。GDPの第一四半期の成長率 (6.4%) は予想と異なりましたが、市場予想に比べ、良くも悪くもありません。また、残念な点もありました。新規失業保険申請件数では、予想の380,000件より多い411,000件でした。5月の耐久財受注の増加は、2.7%ではなく、予想より低い2.3%でした。また、資本財受注は、ゼロではなく、マイナス0.1%に落ち込みました。これらすべては、ドイツ(6月60.4 対比5月56.2)やユーロ圏全体(59.2 対比 57.1)のMarkitビジネスでの成長の裏返しです。
アメリカ経済の減速にもかかわらず、リスク選好投資は減少ぜずに、反対に、伸びました。ジョー・バイデン大統領と上院が合意したインフラ計画によるものです。この計画には、新しい道路や橋、港の建設、水道設備、クリーンエネルギー、ブロードバンドインターネットが含まれます。投資総額は、1.2 兆ドルです。このような資金注入は、数千の新規雇用を生み出し、米国経済が対立する中国よりもポイントを稼ぐことになるでしょう。
関連投資の楽観的な高まりにより、既に、ダウジョーンズはこの一週間で1400ポイント以上に上昇、S&P500とナスダック総合指数は再び過去最高を更新、VIX指数は一年ぶりの安値となりました。
株式市場への資金の流れにより、ドルは下落しました。DXYドル指数が92.32から91.80へ下がる一方で、ユーロは、今週の高値でアメリカ通貨から110ポイントを取り戻しました。EUR/USD は1.1865で始まり、6月25日金曜日1.1975 を付けた後は、強気筋がひと段落ついて1.1940に戻り終了しました; - GBP/USD. イングランド銀行の会合が6月24日木曜におこなわれました。当局による特定の金融措置に関しては、誰もが特に予想していませんでした。イングランド銀行が抜本的な動きをせず、金融政策のパラメーターを変更しないことは誰にとっても明らかでした。まさに、その通りでした。: 資産買戻しプログラムは8,950億ポンド、金利は0.1%に据え置き。
しかし、投資家は英国労働市場の明るいデーターが銀行運営陣側に量的緩和政策(QE)の段階的削減について議論をすぐに始めることを促すものなることを願っていました。まさに、大西洋の反対側の人たちがしたようにです。
予想に関してですが、多くのアナリスト(55%)は、GBP/USDは上がって、重要な1.4000を付けると予想しました。しかし、楽観的な見方は少なくなりました。まず、最初は、6月23日水曜日に発表された英国サービス部門のMarkit PMIで蛇口がひねられました。5月より低いことが判明しました。: 61.7 対比 62.9。そして、少しずつ、水が流れ始めました。: イングランド銀行は、量的緩和プログラム(QE)のパラメーターを変更しなかっただけでなく、近い将来に変更する可能性も示唆しませんでした。
たらたら流れる水は、GBP/USD を1.3870のローカルボトムだけを探らせました。そして、かろうじて、押し下げることはなく、20ポイント高い1.3885で終えることができました。; - USD/JPY. 先週の予想では、多くの専門家(65%) がさらなるドルの上昇、111.00を突破することを支持していました。 H4のグラフ分析と同じく、85%のオシレータやD1の95%のトレンドインジケーターにより示唆されていました。 そして、その通りでした: 5日間の前半は、ドルは、ユーロやポンドに対しては下げていましたが、円に対しては上がり、6月24日には111.10 を付けました。事実、日本円は足元を崩し、最終的には110.75でした;
- 暗号通貨. 通貨はバーチャルですが、ニュースは現実です。それでは、簡単に概要を見ていきましょう。
“crypto-baron”で知られているアンチウィルスの開発者であるジョン・マカフィー氏は、バルセロナの刑務所の独房で亡くなっているのが発見されました。フォーブスによると、死因は、スペインの裁判所がマカフィー氏を米国への引き渡しを決定した後の自殺であるとレポートしています。特に、彼は組織的なマネーロンダリング、脱税、およびアルトコイン詐欺で告発されました。米国司法省は、マカフィー氏と彼のパートナーが暗号通貨で200万ドル以上を稼いだと主張しました。
しかし、この200万ドルは、Africypt の開発者である南アフリカのRaeesとAmeer Cajee兄弟が投資家から盗んだ数字と比べると馬鹿げています。 それに、ジョン・マカフィー氏が既に75歳であるのに対して、この兄弟は僅か17歳と20歳でした。
ブルームバーグによれば、Cajee兄弟の詐欺行為は暗号通貨市場の歴史の中で最大になる可能性があります。今のところ、トップの座は、カナダ人のQuadrigACX プロジェクトクリエイターであるジェラルド・コッテン氏であり、1億6200万ドル相当の顧客の資金が空になりました。
この金額は、もちろん、巨額です。しかし、投資家にとっての主な損失は、詐欺師によるものではなく、規制当局によるものです。暗号通貨市場の時価総額は、6月15日から6月25日の10日間で- 17億3,400万ドルから13億3,600万ドル、約4億ドル減少しました。最安値では、さらに、11億6400万ドルまで下がり、2021年2月の数字に戻りました。さらに、6月23日のたった1日で、約9億ドルの先物ポジションが清算されました。
暗号通貨市場の下落に関しては、BTCネットワークのハッシュレートも低下しました。しかし、多くの専門家によれば、これは中国からほかの国へマイナーが移動したことによるものです。
悲観的なニュースでビットコインは危険な心理レベルである$30,000を下回りました。結果、BTC/USDは5か月前の2021年1月27日のところまでに戻りました。ローカルボトムでは$29,240 を付けました(4月14日の高値からおよそ55%の損失)。
多くの専門家によれば、基準となるこの通貨が$25,000に下落する可能性があったが,大幅安を待っていた購入者によって救われたとしています。 その結果、このペアは、僅かですが上昇し、6月25日金曜日にBTCは$32,000-33,000範囲で取引されました。
このような状況で、Crypto Fear & Greed Indexは非常に不安のゾーンでゼロに下がるはずでした。しかし、最小の22ポイントまで下がると、すぐに、一週間前に戻り25ポイントをマークしました。
一部の専門家によれば、ビットコインが$30,000 を維持していることは排他的であることを証明しています。そうでなければ、アルトコインは、ただ、下がるだけになるでしょう。
多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:
- EUR/USD. 6月16日の会合の後、連邦準備制度委員会のタカ派予想が市場のドル選好に劇的に反転させたことを思い出しましょう。豊かな表現に影響を受けた投資家は、弱い米国のマクロ統計にもかかわらず、米ドルの購入に急ぎました。
その結果、6月16日の高値1.2125から始まって280ポイント急落したEUR/USDは、6月18日金曜日に1.1845で5日間を終えました。そして、再び、向きを変え、6月21日には上昇しました。
どういうことでしょう? 投資家の気分が変わったのでしょうか? あるいは、下落方向への修正でしょうか?
一方で、FRSの代表は、米国の労働市場が危機前の水準には未だに程遠いので、現在のところ、堅調な財政状況の維持が必要だと主張しています。このような発言は、グローバルなリスク選好やユーロ圏からの前向きな経済データーと相まって、EUR/USD を押し上げるはずでしょう。
しかし、他方では、ジェローム・パウエル議長や委員は、刺激策(QE)の段階的な削減プロセスについて議論の必要性を認識しています。また、予想より早い金利引き上げの意図もありました。対照的にECBは量的緩和政策について急いで削減するつもりはなく、ユーロ圏の現在のインフレ率は懸念理由ではないと発言しています。そして、これらのことにつて、ドル側で動きがないということはありません。
来週発表されるマクロ経済指標は、一方、あるいは、他方傾向への基準のヒントになるでしょう。ドイツの消費者市場に関するデーターは、6月29日火曜日と7月1日木曜日に、暫定的物価指数は水曜日に発表され、ヨーロッパ全体のインフレレベルがわかるでしょう。アメリカの統計に関しては、7月1日にISM製造業景気指数の発表があります。また、米国労働市場に関するデーターは、6月30日と7月2日に非農業部門雇用者件数を含めわかる予定です。
その間ですが、60%のアナリストは、 オシレータの85%とD1のインジケーターに支持されドル高、6月18日の安値1.1845まで下落を予想しています。弱気筋の次のターゲットは、2021年3月31日の安値です。近似サポートは 1.1915 と 1.1880。
残りの40% の専門家は、強気側で先月失ったポジションを取り戻そうとしています。最初の大事なレジデンスは、1.1985-1.2000 圏内で、次は、100 ピップス高くなります。ターゲットは、3月25日の高値1.2265の更新です; - GBP/USD. 念の為ですが、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、国内事業の着手を一ヵ月延期します。これは、インドで最初に見つかり、入院リスクが2倍のデルタ株感染者の増加によるものです。感染者数は、一日に20,000人近くになり、ポンドに圧力をかけています(同じ期間でのコロナウィルスで亡くなった人は18人だけでしたが、割合は、0.001であり、非常に楽観的な指標です)。
ブレグジット後のロンドンとブリュッセルの関係はますます不安定でポンドに圧力をかけ続けています。これは、特に、北アイルランドと残りのイギリス地域間での貿易に当てはまります。
しかし、同時に、50%の専門家は英国通貨が1.4000水準を再び試み、さらに100ポイント上昇することを期待しています。近似レジデンスは、1.3940。さらに高すぎるターゲットは、1.4150 と1.4250。
20%のアナリストは、ドルが勝ち、このペアは 1.3670-1.3700へ下落することに賭けています。残りの30% はこのペアが1.3800-1.4000の範囲での横ばいだと考えています。
インジケーターの値は次のようになります: 85%のオシレータは赤で残りの15%は売られ過ぎを示しています。 トレンドインジケーターも、圧倒的に赤です。これらはH4で100%、 D1で85%です。グラフ分析では次のような取引幅を描いています: H4で1.3850-1.4050 , D1で1.3770-1.4000。
来週のイベントですが、6月30日水曜日に英国GDPのデーター発表と同じく7月1日木曜日のイギリス銀行のアンドリュー総裁の発言が注目です;
- USD/JPY. どちらが勝ちのでしょうか:安全通貨の米ドルそれとも安全通貨の円? あるいは、逆の質問もできます。: 安全通貨の円、それとも、安全通貨のドル? 80% のオシレータとD1の90% のトレンドインジケーターはドルが勝つことを示しています。しかし、残りの20%のオシレータは、このペアの買われ過ぎを示しています。
グラフ分析は、109.75-110.100圏内にサポートを押し下げた後は、上昇し、111.00のレジデンスを突破し、去年の3月24日の高値111.70をまず、突破してからは、2020年2月20日の高値112.25を更新すると考えられます。
来週のこのペアの動きに関する専門家の意見は、半々に分かれています。しかし、来月7月の予想では、75%が弱気側で、USD/JPY は108.00-108.55圏内へ下がることもありえると考えています。
マクロ統計に関しては、日本銀行は今年7月1日の短観第二四半期が発表されます。この大規模な生産指数がこの国の多くの輸出関連企業の総体的な事業環境を反映します。0以上であれば、円にプラスですが、0より下であればマイナスです。指数は、2021年第一四半期の5から15に上昇すると予測されています。 - 暗号通貨. $30,000付近での強気筋と弱気筋の攻防戦が続くでしょう。弱気筋の中期目標は、2017年12月高値$20,000を頂点として市場を凍り付けたBTC/USD に戻すことです。現在、このペアは、ちょうど2か月で、およそ55% を失っています。つまり、現在の暗号通貨の冬は2018年よりも、かなり厳しい可能性があります。上記で述べましたが、投資家はロングポジションを閉じ、先物取引を清算しています。また、大手金融のJPモルガンとゴールドマンサックスの責任者は、再度、ビットコインが望まれない投資であることを発表しています。
投資家であり、ヘッジファンドScion Capital の創設者で2017年の住宅ローン危機を予想したマイケル・バリー氏は、彼のサブスクライバーに暗号通貨崩壊について警告しています。"誇大広告と投機が、すべての崩壊を生む前に小口トレーダーを引き付けているだけです。パラボリック[上昇傾向] はパスしないでしょう[...] 歴史は変わりません” とバリー氏は記述しています。また、レバレッジが大きすぎることも指摘しています。 “暗号通貨のレバレッジの大きさを知らなければ、あなたは暗号通貨について何も知らない” と強調しました。
バリー氏は、以前、市場は"史上最大のバブル"を膨らませたと警告していました。投稿には、FlyingPigs360nのハッシュタグを使い、ビジネスインサイダーによれば、投資についての格言を参照しているかも知れません: "牛(強気筋)は稼げる、熊(弱気筋)は稼げる、しかし、豚は虐殺される。"
"金持ち父さん貧乏父さん" のベストセラー作家であり、起業家のロバート・キヨサキ氏は、マイケル・バリー氏に賛同しています。彼も暗号通貨市場の崩壊を予想しています。 “大きなバブルがさらに大きくなっている。市場最大の崩壊が近づいている。金や銀をより多く購入しましょう。ビットコインは$24,000に下落予想されます”と彼は記述しています。 (2020年にキヨサキ氏がビットコインの$20,000までの購入の助言と$50,000の上昇を予想したことを思い出してください)。
Cramer & Coの元ヘッジファンドマネージャーであり、CNBCのマッド・マネー・ショーのホストでもあるジム・クレイマー氏は、中国のマイニング規制のニュースを受けてほとんどのビットコインを売りました。"中国が何かを説き伏せるときは、問題が終結する傾向にあります。私は、彼らが変えることができないことにより、ビットコインを政権の脅威とみなしていると考えています。- システムは、彼らの背後にあるのです。” と彼は述べ、マイニングされたコインのレートは暗号通貨レートにプラスの影響を与える可能性があったが、これは現実にはならなかったと付け加えました。 “マイニングが制限されれば、所有者が至る所に広がらなければ、ビットコインは明らかに上昇するに違いありません”
しかし、いつもどおり、市場では売る人だけではなく、買う人もいます。つまり、the Point72 Asset Management Fund の創設者スティーブ・コーエン氏は、ジム・クレイマー氏とは異なり、対照的に、暗号通貨へ完全に設定をし直しました。純資産が140億ドルとも言われているコーエン氏は、まだ、初期の投資家なので現在のビットコインの価格は気にしないと述べています。: “今は、何かを見逃したということはないでしょう。最初の段階では見逃したが、今は、それでも早い段階で関わったと感じています” とビリオネアは述べています。
MicroStrategyも暗号通貨の準備に投じ、 さらに13,005コインを購入しました。 Michael Saylor firm は、現在、105,085 BTCを保有しており、デジタル資産の最大保有企業です。
こちらの企業は、優先度の高い株式の発行で5億ドルを調達した後、購入しました。セイラー氏がツィーターに投稿したように、13,005 コインの平均価格は$37,617で、5億弱で購入されました。彼は、総額27億ドル以上を投資し、平均購入価格は$26,080、会社は今のところ、黒字を維持しています。
予想に関しては、人気のあるアナリストPlanBのシナリオの説明は、面白いです。通常どおり、stock-to-flow ratio (S2F)によりものです。PlanBは、現在の価格は弱気筋のシナリオに一致していますが、ビットコインは10月までに市場高値をつけると確信しています。 そして、年末までには $135,000 になるでしょう。
“ビットコインは、ビットコイン不支持のイーロン・マスク氏のツイートとマイナーに対する中国からの抑止によるパニックにより、$34,000以下に下落しました” PlanBはツィートしました。 “しかし、6月の下落は、もっと根本的な要因です。おそらく、7月に上がるでしょう。2021年の私の最悪のシナリオは (オン・チェーン分析を基に): 8月> $47,000, 9月> $43,000, 10月> $63,000, 11月> $98,000, 12月> $135,000." 最も楽観視したシナリオでは、BTC が$450,000に上昇することを想定しています。
来週の専門家による加重平均予想は、次のとおりです。: 70%がBTC/USDは $36,000圏内に戻ると予想。残りの30%は$28,000-29,000と考えています。
NordFX Analytical Group
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