まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 先週の予想では、多くのアナリスト (60%)は、85%のオシレーターとトレンドインジケーターに裏付けられドル高、EUR/USD は6月18日の安値1.1845までの下落の支持でした。予想は明らかに正しく6月30日は早くも設定目標に達成しました。
アメリカ通貨の上昇は、米国経済の回復ペースが連邦準備制度理事会に金融刺激策(QE)の削減を余儀なく進めることを期待したためでした。また、市場は金曜日中に発表される労働市場の強い期待がさらなるドルの押し上げになると予想しました。
労働省によると、米国非農業部門新規雇用者数(非農業部門雇用者数)は、実際には、700,000件ではなく、: 予想よりも150,000件多い850,000件でした。 EUR/USDは、さらに下落しましたが、1.1805のレベルで予想外に反転し、さほどスピードはないものの急上昇しました。 理由は、2番目に発表された指標でした。: 予想では、失業率は5.8% から 5.7%へ下がる予定でしたが、予想に反して5.9%と上がりました。
この結果は、米国労働市場の回復の弱さや連邦準備制度理事会の金融引き締めに関する投資家の期待が薄いリスク感情の現れでした。ダウジョーンズインデックスは上昇で、 S&P500とナスダックは、史上最高値を更新しました。DXYは、 92.24 に下がり、EUR/USDは1.1863で今週の取引を終えました; - GBP/USD. コロナウィルスのデルタ株の懸念が英ポンドに大きな圧力をかけています。投資家は、第1四半期の英国のGDPに関するデータに満足しませんでした。予測よりも悪いことが判明したためです。(-1.6%対比-1.5%)。
インフレに関してですが、イギリス銀行のアンドリュー総裁は7月1日の発言でイギリス経済は通常に戻り、上昇率は緩やかに下げているため一時的に高いだけと強調しました。この発言はポンドをさらに押し下げました。また、残念な米国の失業データがない場合は、GBP / USDはおそらく1.3670のサポートを試みたでしょう。事実、このペアは1.3730 台で下げ止まり、今週は、100ポイント高く1.3830で終わりました; - USD / JPY. 日本銀行は、7月1日に本年度の第二四半期の短観を発表しました。この指数は、この国の大手企業の総体的なビジネス状況を反映させます。0以上は日本円にプラスである一方0未満はマイナス要因と考えられています。指数は2021年第一四半期の5から15へ上がると予想されていましたが、短観は15ではなく、14に上昇しました。しかし、この上昇にもかかわらず、USD/JPY には実質なんら影響はありませんでした。米国債利回りの影響を強く受けなかったためです。基本的に、DXYインデックスでも、まったく同じです。ドルの上昇は、このペアを上昇させ、重要なレジデンスである111.00を突破し、111.65の高値を付けました – 2020年3月24日の高値- 111.70に非常に近いです。その後、ドルが崩れるとペアも崩れました。それでも、111.00にとどまることができ、111.05で終了しました;
- 暗号通貨. 数日前の予想では、"高い確率で、3万ドル付近での強気筋と弱気筋の争いが続くであろう"ということでした。 これは、本当でした。ローカルボトムは、$30,200を付けました。強気筋はBTC/USDを$36,590まで上げようとしていましたが、心理的に重要なレベルの$36,000を維持できず、ビットコインの価格は7月2日の金曜日には$32,700 まで下がりました。
双方とも、かなり静かなニュース背景で十分な結果を得られませんでした。そこで、いくつか気になるニュース挙げましょう:
- エルサルバドルに続いてパラグアイでビットコインが法定通貨になるかも知れないという噂がありました。しかし、その後、7月14日の議会法案では、目的が完全に異なり、デジタル資産の規制であり、法定通貨にならないことが明らかになりました。
- 中国でのマイニング禁止のパニックは、徐々に収まっています。中国では、規制当局が電力会社によるマイナーへのエネルギー供給を禁止しています。理論的には、中国国内でのハッシュレートはゼロに下げるはずでした。しかし、一部の積極的な暗号通貨のマイナーは、小規模な民間の水力発電所を利用してビジネスを続けています。ほかのマイニング企業は、-アメリカや例えば、カザフスタンへ移りました。このような背景により、カザフスタンの大統領は、暗号通貨のマイニングへの電力追加料金の導入法案に署名しました。これにより、この産業にとって、この国の魅力は無くなるかも知れません。
- Katie Wood 氏の率いるArk Investは、米国証券取引委員会にビットコイン上場投資信託(ETF)の立ち上げを申請した9番目の企業 になっています。
- 分析サービスChainalysisによると、インドの暗号投資家の数は1,500万人を超え、過去1年間の暗号通貨への投資額は約2億ドルから約400億ドルに増加しました。これは、20,000%の増加を意味しています。
- 暗号通貨のベテランであり、ビットコインの最大保有者の一人である41歳のMircea Popescu 氏がコスタリカで溺死しました。彼はブロガーとしても知られており、自称"偉大なる世界の官能作家"でした。暗号通貨コミュニティは、 "ビットコインを最大に増やす悪魔的天才"、"ビットコイン中毒の父" 、"ある時にはビットコインを事実上ゼロにして、またある時には価格維持する""眠れる父" と呼ばれていました。Popescu 氏が保有する実際のコインは50,000 から 300,000 BTCで世界有数のビットコイン所有者です。現在は、この巨額のビットコインが永遠に消えてしまったようです。
そして、イーロン・マスク氏についていくつか話しましょう (私たちは彼なしではいられません!)。 おそらく、ビリオネアは既にビットコインやドージコインで十分に遊んでいますが、今度の新しいホビーは- ベイ‐ビードージです。彼が"ベイビードージ、ドゥー、ドゥー、ドゥー、ドゥー、ドゥー、... "と気軽に3回ツィートすると、このコインは、2週間で500% まで上昇し、取引量は3倍になりました。マスク氏がこのような"誘導"でお金を稼いだかどうかは今のところ不明です。
暗号通貨全体としては、ベイビードージと違い、時価総額は今週僅かに上昇しました1.336兆ドルから1.381兆ドル。 Bitcoin Dominance Indexは、 47.05% から45.52%、 BTC Crypto Fear & Greed Index は、21ポイントで再び極度の恐怖のゾーンです。
多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:
- EUR/USD. ドイツやユーロ圏のインフレーションや消費者市場のデーターは、あまり明るくはありませんでした。コロナウィルスのデルタ株やイギリスとの分離のため、観光収入は落ち込んでいます。総体的にヨーロッパ経済の回復に関する楽天的見方は少なくなってきています。
アメリカに関しては、議会はインフレの上昇を-1.7%から2.8%と国内経済の成長- 3.7% から 7.4%と共に予想を上げました。米国GDPが1984年以来の最速のペースで7%成長すると予想しています。 金利に関しては、IMFの専門によると、連邦準備制度理事会は、早くても2022年末あるいは2023年の初めには引き上げる予定です。フィラデルフィア連邦準備銀行のパトリック・ハーカー総裁は、早ければ今年で資産購入プログラム(QE)の終了を提案しています。そして、これが早まれば、早いほど、すぐに金利は2022年には上昇するでしょう。
連邦準備制度理事会は、完全雇用にのみ利上げをすると言い続けています。また、7月2日に発表された労働市場データーがプラスの場合は、EUR/USDは3月31日の安値1.1700になる可能性がありました。 しかし、下がる代わりに、失業率は6月の5.8% から5.9%に上がり、このペアの下落傾向への疑問が投じられました。
失業データの発表前は、70%の専門家は弱気筋側でした。現在、この状況は変わり、65%が7月の上昇を期待しています。 インジケーターでも同じです: 100% のオシレーターとH4とD1のインジケーターは7月2日金曜日の日中は赤でした。しかし、市場が閉じるまでには、H4の色は変わりました: インジケーターの一部はニュートラルのグレー、また、いくつかは緑にさえ変わりました。
強気筋の近似ターゲットは、1.1975、それから1.2000、1.2050 、1.2150。7月のチャレンジは、5月25日高値1.2265の更新です。弱気筋の課題は、3月の安値1.1700を超えることです。このターゲットまでの通過サポートは1.1845、1.1800 、1.1765。
来週の経済指標カレンダーは、とても控えめのようです。注目は、ユーロ圏小売売上高と米国ISM非製造業景気指数が発表される7月6日火曜日です。;
- GBP/USD. イングランド銀行の上層部は、インフレーションの判断について統一性がありません。アンドリュー・ベイリー総裁の気休め的な発言に耳を傾け、正反対に-チーフエコノミストのアンディ・ハルダン氏はインフレリスクを非常に警戒しています。既に、このレビューの冒頭でベイリー総裁の立場は、ポンドに圧力をかけ、相場は米国の失業者数の増加によるさらなる下落から “救われました“。そうでなければ、ポンドはユーロと一緒に下落を続けていたでしょう。
GBP/USD予想は、 EUR/USD と同じく先週の終わりに大きく方向を変えました。米国の失業者数データーの発表前に60%のアナリストがイギリス通貨のさらなる下落予想であったなら、75%が今月中のこのペアの上昇を支持していました。H4 のテクニカル分析もまた、いろいろですが、90%のオシレーターとD1の100%トレンドインジケーターは、まだ、下向きを指しています。H4のグラフ分析は、このペアの 1.3900の上昇、D1は.3730〜1.3870の範囲での週の動きを示しています。
サポートレベルは、1.3800、1.3730 、1.3670、レジデンス - 1.3900、1.4000、そして1.4100-1.4165圏内です; - USD/JPY. このペアのインジケーターは、EUR / USDやGBP / USDとほとんど変わりません。 (この場合だけ、赤から緑へ変わります)。しかし、ここでの専門家の意見は、ほぼ一定であり、数だけが変わります: 55% が円高でこのペアの下落を支持すると、彼らの数は75%に増えました。H4のグラフ分析は、このペアの111.00のサポート/レジスタンスラインに沿った横ばいの動きを示し、D1では、まず、110.40に下がり、その後、2020年3月24日高値111.70を超えて上昇するという予想です。
弱気筋のターゲットは、109.75-110.100圏内と 108.00-108.55です。 強気派の目標は、111.70の高値をつけ、2020年2月20日高値112.25に上昇です; - 暗号通貨. 暗号通貨の分析会社であるGlassnodeによると、ビットコインに対する機関需要は下がっています。BTCの上昇傾向を支えている主な要因の1つは、GBTCグレイスケール信託基金への機関投資でした。 Glassnodeのアナリストは、GBTCプレミアムの低下、ETFの純資金の流出、 Coinbase の貸借対照表の停滞は機関投資家のビットコインへの需要が未だに弱いことを示していると指摘しています。
それでも、専門家の多くは現在の状況について楽観的です。JPモルガンのアナリストによれば、“暗号通貨市場はまだ、完全に健全;とは言えないが、既に治癒が始まっています" 。ビットコインは、依然、高値から程遠いですが、崩壊から徐々に回復してきています。例えば、ビットコイン先物市場での動きの鈍さは、“プラス要因”としてJPモルガンのストラテジストから説明されています。しかし、彼らの見解による短期的な見通しでは、 "非常に難しい"ということです。
Alameda ResearchのトレーダーであるSam Trabucco氏も、ビットコイン市場はすでに上昇の準備をしていると考えています。彼の考えでは、マイナスのニュースは基本的には価値がなく、短期的なマイナス感情を生み出しているだけだとしています。
Trabucco氏は、中国からのマイナスニュース、イーロン・マスク氏のビットコインの環境懸念、ビットコイン下落によるMicroStrategyの破産の可能性に過剰に否定的な反応を起こしていると記述しています。 以前も、価格はテスラ社のビットコイン払いやマスク氏のメッセージで同じように反応しました。“しかし、このニュースがビットコインの価値や中期的な人々の評価方法に影響するわけでもありません。” と彼は述べています。また、$30,000は買いシグナルとして捉えるべきだと付け加えました。
Galaxy Digital の共同責任者であるJason Urban氏も、市場が上昇するのを待っています。彼はマイナスのニュースは秋までに出尽くし、ビットコインは上昇するだろうと注目しています。Urban氏は、規制が不明瞭なため、多くの機関投資家は未だに暗号通貨市場へ参入していませんが、 遅かれ、早かれ、ビットコインの需要は増えるだろうと信じています。彼によれば、“すぐに史上高値になるだろう”、そして、相場は年末までに $70,000 の可能性もあり得ます。
前 Gyft のCEO であり、 Civic project の共同創設者であるVinny Lingham氏も、発言をしています。 彼は、ビットコインの将来的価値を予想したとして、かつて"オラクル"というニックネームでした。
Lingham氏のビットコインの予想は、常に楽天的ではなく、彼の呼びかけは、ファンタスティックなアイデアのある人より、むしろ正統で保守的です。しかし、ほかの多くの人たちと同じく、ビットコインが早くも年内に6桁になる可能性があると考えています。オラクルは、自身のツィーターで価格が$30,000を維持できれば、年内にビットコインは$100,000 になる可能性があると記述しています。
フォーブスによれば、メキシコで最も裕福な3人の1人であるビリオネアのRicardo Salinas Pliego氏は、今後30年間の資産選択では、“きな臭い法定通貨は二度と選ばないだろう”とビットコインを好んでいました。Salinas 氏は、ビットコインが全ての投資家のポートフォリオに組み込まれるべきだと考えています。“ビットコインは、国際的に価値があり、信じられないほど流動的で世界的に取引されています。すべてのポートフォリオに組み込むには、これだけで十分でしょう。"
彼によれば、ビットコインの非常に有利な点は、限られた排出量です。同じ理由で、彼はイーサリアムを信じておらず、無限の排出量は既存の資産の減価償却につながると説明しています。
元 Cramer & Co ヘッドファンドマネージャーであり、NBCのマッド・マネー・ショーのホストでもあるJim Kramer 氏は、反対の見解です。彼は、また、二番目に時価総額の多い仮想通貨で貯蓄を増やしました。驚くことにイーサリアム購入に彼を駆り立てのは... ビットコインの積極的なダイナミックさでした“。私は、ビットコインが$30,000以上を維持したので、イーサリアムに戻りました。” と彼は主張しました。そして、彼はイーサリアムはビットコインより、はるかに人々にとって使い勝手がいいので、このアルトコインを選んだと説明しました。
NordFX Analytical Group
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