FXと暗号(仮想)通貨の見通し 2021年7月12日- 16日

まず、先週のイベントを振り返りましょう:

  • EUR/USD. 多くの専門家(65%)の予想通り、週初めにドル安が続いた後、EUR/USDは上昇しました。 7月2日に発表された労働市場の残念なデータはドルに影響しました。予測では、失業率は5.8%から5.7%の低下でしたが、予想に反して5.9%の上昇でした。
    7月6日に発表された米国事業活動指数がアメリカ通貨のさらなる下落を防ぎました。そしてISM非製造業指数は、6月に60.1(5月の64)に落ち込みましたが、投資家を怖がらせずに50以上の結果がプラスとしてドルが好まれました。そして、まさに、: 1.1895の高値をつけた後、EUR/USDは反転し下落、7月7日水曜日にローカルボトムの1.1780 をつけました。
    同日の終わりに公表されたFRSの議事録では、金融刺激策(QE)の削減についての議論がありましたが、具体的な決断には至りませんでした。規制当局は、インフレーションの指標だけを頼りに、金融政策を急がず、労働市場の回復を待つでしょう。つまり、前述のように、指標は現時点では特に楽観的ではなく、米国経済の減速を示しています。
    翌日、7月8日木曜日は、FRBのハト派的な立場だけでなく、欧州中央銀行による新しいインフレ目標の発表で、ユーロが損失を取り戻すことができた日でした。前回の目標だった“2%に近い2%未満”でした。現在、当局の目標レベルは、特定の時点での指標を上げたり、下げたりすることが可能です。同じく、ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁が、欧州中央銀行は連邦準備制度理事会の新たな戦略を真似ず、平均に到達するために消費者物価の上昇を具体的には刺激しないと強調しました。
    コロナウイルスのデルタ株の蔓延によって欧州通貨の上昇と世界的なリスク選好の低下が引き起りました。トレーダーは発展途上国の高金利通貨のポジションを閉じ、EURやYENなどへ資金を戻し始めました。
    トレンドの動きや変更の結果、5日間の合計はゼロに近く、EUR/USDは1.1877の開始とほぼ変わらずに今週を終えました。;
  • GBP/USD. 先週のドルに対するイギリスポンドのダイナミックな動きは、ヨーロッパ通貨と同じでした。グラフ分析の予測が最も的確であり、GBP/USD は1.3870-1.3900に上昇後、1.3730-1.3870圏内で横ばいの動きを示しました。実際には、いくつかの時点で修正がありました。今週の終値は、このチャンネルの上値抵抗線付近1.3890でした。;
  • USD/JPY. 金融での嵐が続く中、最も安全な場所へ通貨は流れています。そして、円はドルに対して100ポイント上回り、明らかに有利でした。非常に多くの専門家(75%)の予測どおり、このペアの動きは週の前半は下向きで、7月7日には109.50台安値を記録しました。一時は、株式市場の上昇や米国債利回りの下落により、150ポイントほどにも上回りました。
    その後、米国債利回りが1.3433%に回復したことでドルは幾らか戻すことができ、このペアは110.10で終了しました;
  • 暗号通貨. Morning Brew の世論調査では、小口暗号通貨の投資家の最も恐れていることが... イーロン・マスク氏のツィートであることがわかりました。これは、Investing.comによる別の調査でも判明しました。この結果によれば、回答者の5人に1人がマスク氏の暗号通貨の批判に関連付けて2021年5月にビットコインを売っています。
    確かに、彼のツィートは、中国の暗号通貨取引の禁止のように$64,600 から$30,000へ下げたビットコイン崩壊の引き金でした。しかし、多くの専門家は,トレーダーが少ない資金で大きな取引ができるレバレッジの使用、さもなければ、証拠金取引が主な理由であると考えています。また、このようなポジションのクローズの雪崩は、相場を下げ、暗号通貨市場の時価総額が45%以上も下落しました。
    中国当局に関しては、彼らは国外で仮想通貨に圧力をかけ続けています。中国人民銀行はビットコインとステーブルコインは金融の安全と社会の安定を脅かす述べ、ソフトウェア開発、施設のレンタル、マーケティングサービスを含め市場関連企業へのさまざまなサービスの提供を禁止しました。
    今のところ、巨額な資本は、中国からのマイナーの移動過程を監視中です。また、彼らがどこの国で仕事を再開するかもとても興味深いところです。米国ならば、制度上の視点から業界のイメージを強化するでしょう。特に、Crypto Head は76ヵ国中、アメリカがデジタル資産の採用に最も適しています。
    しかし、マイナーは中国以上に米国当局を恐れていると考えられています。したがって、彼らは中央アジアの国々を選ぶ可能性があります。- カザフスタン、モンゴルなど寒く安価なエネルギー資源にアクセス可能な地域です。しかし、ここでもすべてがスムーズではありません。例えば、既に記述しましたが、カザフスタンではマイナーを見越して暗号通貨の追加エネルギー料金に関する法案が既に可決されています。
    中国が導入した禁止で、ブロックチェーンのハッシュレートがほぼ50%に低下したことに注意しましょう。これはアルゴリズムの大きな変化につながり、同様に残っているマイナーの利益の深刻さも膨らみました。現在、彼らはBTCの$60,000費用と同じだけ稼いでいます。
    投資家は、3週目で$ 36,000のレジデンス以上の上昇をしようとしているビットコインを観察しています。先週の強気筋の別のチャレンジは再び成功することはなく、BTC/USD は7月9日金曜日の夜$32,500-33,500圏内で取引されていました。
    暗号通貨の時価総額は、一週間で僅かながら:1.358兆ドルから1.370兆ドルに変化しました。そうは言っても、過去数日間、アルトコイン(イーサリアムを含む)からビットコインへの資金の流れはわずかでした。JPモルガンのアナリストNikolaos Panigirtsoglou氏も CNBCのインタビューでこれについて指摘しました。この動きは、資金がアルトコインへ大きく流れた4月の初めの傾向と反対でBTCの弱気相場の終わりを告げている可能性があります。しかし、重大な進捗について話すには、まだ、時期早々です。これは、相場、コイン数、1週間で1ポイント下げ21から20の未だに非常に恐怖を指すCrypto Fear & Greed Index の読み取り値で確認されるだけなのです。

 

多くの専門家の意見やテクニカルとグラフ分析を要約した今週の見通しに関しては、次のことが言えるでしょう:

  • EUR/USD. コロナウィルスの新種株の蔓延に関する疫学の状況が再び目立ってきているようです。リスク選好が減り、昨年の状況を恐れ、再び資産保護への傾向が強まり始めました。株価指数- ナスダック、ダウ・ジョーンズ、- は、上昇を止め、横ばい傾向です。そして、目立つろうそく足の陰線が日足チャートに現れました。
    並行して、米国債の需要は上昇: 国債利回りは、数か月ぶりの最低水準である1.25%に低下です。
    疫学状況が悪化しているにも関わらず、欧州委員会は2021年のユーロ圏のGDP成長率の予測を4.3%から4.8%に引き上げました。経済活動の成長は、閉鎖制限の緩和(もちろん、継続されていればですが)やワクチンの接種率により影響されているはずです。GDPは、今年の第4四半期には、予測より1四半期早く危機前レベルに戻ると予測され、これによりECBがQEプログラムの終了をより速く始める可能性があります。
    しかし、ヨーロッパのインフレーションとGDPが2% と 4.8%に上昇ならば、同じくアメリカの指標は、それぞれ5%と7%です。また、誰が金融政策引き締めを始めるのでしょうか?もちろん、Fedでは、ハト派の多くは様子見です。しかし、ECBの運営陣にはタカ派は多くなく、現在のポジションは金融政策拡大の支援者と反対派での妥協のような状態です。
    EUR/USDの当面の予測に関する専門家の意見も妥協的で、40% が上昇、45%が下落、15%が横ばいの継続です。 同時に、夏の終わりまでの予測となると、ドル安ユーロ高の支持者は、60%にもなります。
    H4のトレンドインジケーターとオシレーターでは、70% が緑、30%が赤です。 D1では、状況が異なります: 70%のインジケーターが下向き、オシレーターは、赤、緑、ニュートラルグレーが混沌としています。 H4のグラフ分析は、1.1780-1.1900 圏内の横ばいを示しています。
    強気筋の最も近い目標は1.1900、次に1.1975、1.2000、1.2050、1.2150です。7月のチャレンジは、5月25日の高値1.2265です。弱気筋のタスクは、3月安値1.1700のチャレンジです。この目標途中のサポートは、 1.1845、1.1800、1.1780です。
    来週の経済指標カレンダーでは次のイベントに注目です。ドイツとアメリカの消費者物価指数が7月13日火曜日に公表されます。米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長の議会での発言が水曜日と木曜日に予定されており、7月16日金曜日の小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数を含めた消費者データーで週末を締めくくります;
  • GBP/USD. 英国のGDP、貿易および工業生産の数値は予測値に達しませんでした。そして、これはポンドに圧力をかけるでしょう。しかし、それにもかかわらず、アナリストの60%がGBP / USDの上向きの動きを支持しています。
    先週は、1.3900 圏内に上昇で終わりました。 中間チャートでは、このレベルが1.3700-1.4000方向での中央であることを示しています。したがって、このペアには上値抵抗線までの上昇への動きのチャンスが多くあります。
    残りの 40% の専門家は、H4のグラフ分析を支持し、イギリス通貨は、国内でのコロナウィルスの新規蔓延が広がっていることを含め現在のところ、1.3900 のレジデンスを突破できないと考えています。
    インジケーターの値は、EUR / USDの値とほぼ完全に一致です。マクロ経済統計では、2.1% から 2.26%の上昇が見込まれている6月の消費者物価指数が7月14日水曜日に発表されます。そして、翌日には、失業保険や失業率を含めた英国の労働市場の状況の一部がわかることになります。米国での同じ指標の上昇が7月の第一金曜日にドルに打撃を与えたことを思い出しましょう。イギリスでは、4.7%が予想されています。;

  • USD/JPY. このペアでは、H4でもD1でも基準となるインジケーターの値をもたらすことは不可能でしょう。1月上旬に始まった上昇傾向は続くのでしょうか? 111.00を超える足場を固めることはできるのでしょうか? この動きの新しい勢いは4月26日の修正後で、今ではトレンドの突破とこのチャンネルでの下値支持線突破の最初のヒントが表れています。
    先週、円高の理由についてお話しました。しかし、投資家感情と同様に、今後1週間の指標も捉えることができません。専門家の声は、ほぼ等しく分かれています: 30% は強気筋側、 40%は弱気筋側、40%はただ肩をすくめているだけです。
    D1のグラフ分析では、まず、USD/JPY が109.50-111.00での取引幅で横ばいの動きを示し、そして初めて上昇トレンドの継続が終わって、112.00へ突破となります。
    日本銀行の金利決定とその後の慣習的な運営陣の記者会見は、来週で幾分興味深いかも知れません。両方とも7月16日金曜日に予定されています。そして、おそらく、驚くことは何もなく、日本は、投資家にとっての超安全通貨としてのタイトルをまた得ることになるでしょう;
  • 暗号通貨. 分析会社のArcane Research によれば、ビットコインの一日当たりの取引量は、2021年の初め以来、最低レベルに落ちています。BTC/USDは3週引き続き、$36,000台になることが出来ませんでした。5月末以降の直近安値付近での取引の事実は、もちろん投資家を怖がらせています。$28,800 の現在の安値を下回ると、別の大規模な売りと新しい暗号通貨の冬につながる可能性があります。
    同時に、多くの専門家は、ワイコフ・メソッドによれば蓄積の段階として現在の状況を説明しています。これは、$28,800が最小修正(“春”)で段階的な上昇が将来見込まれていることを意味します。ワイコフのスキームは、ビットコインが$36,000のレジデンスを超えた修正があれば裏付けられるでしょう。
    - 人気の暗号通貨アナリストPlanB (登録者609,000人)はビットコインの動きの最悪のシナリオの概説をしました。こちらの専門家は、以前は伝統的に金や銀などのコモディティに使われていたストックフロー比率(S2F)モデルをビットコインに用いたことで知られるようになりました。PlanBの計算では、7月のビットコインの最悪のシナリオは$28,000で締めくくるということです。8月は、最悪のケースのシナリオが閉じられるところで$47,000の可能性があります。 彼によれば、次の6ヶ月で、強気筋のレースが終わるまでに、BTCが実際に6桁の範囲を付けるか、その結果、$288,000に届くかどうかで決定するでしょう。
    機関予測は、はるかに控えめな予測なので注目しましょう。例えば、CNBC100人近くの投資ディレクター、財務ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーを対象にウォール街の調査を実施しました。彼らの44%は、ビットコインが$30,000以下で2021年を終えると考えています。回答者の25%は、年末までに$40,000を付けると考えています。同様の比率の回答者が$50,000レベル、$60,000以上の上昇を予想している回答者は、僅か6%でした。
    この結果の討論で、番組のホストは総体的に短期的な見方に同意し、年末に$30,000であれば長期的なボトムを設定することで市場参加者の懸念を軽減する価値があるとしています
    一方、アルトコインの見通しですが、Galaxy Digital cryptocurrency bank の創設者Michael Novogratz 氏をはじめ多くの専門家は、イーサリアムが将来的にはビットコインを非常に弱体させ、市場価格の基盤となると述べています。BTCは、貯蓄の意味で人気になりました。しかし、ETHブロックチェーンに取り組んでいるプロジェクトと方向の数を合計すると、イーサリアムの利点が明らかになります。ステーブルコイン、De-Fi、NFTトークンはブロックチェーンで機能します。ETHのプラットフォームは、 次のWeb3.0の基盤になる可能性があります。 しかし、1つの問題があります: イーサリアムは、この方面ではソラナ、テラ、その他のエコシステムとの厳しい競争に直面しています。
    巨大投資銀行の一つであるゴールドマンサックスの専門家も、今日のイーサリアムはビットコインを超える可能性のある最も実用性のある暗号通貨であると考えています。しかし、同時にこちらの専門家は、ビットコイン、イーサリアム、その他の暗号通貨のいずれも近い将来、人気のある金を追い抜くことはできないと確信しています。ボラティリティが高いため、デジタル資産は投資家の安全通貨にならず、したがって、貴金属との直接競争には負けてしまうのです。


NordFX Analytical Group

 

注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあるため入金した資金を全て失う可能性もあります。

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