2021年10月4日-8日のFXと暗号通貨の予想

EUR/USD: 弱気筋の新たな勝利

  • EUR/USD は、先週、1.1562まで下落、2020年3月から始まった弱気傾向と強気傾向の分岐点である重要なサポートレベルである1.1630を突破しました。

    9月は米国株式市場にとって最悪の月となり、安全な資産としてのドルの地位を高めることができました。また、FRBは前回の会合で、11月には金融刺激策(QE)のソフトな巻き戻しを開始する準備ができる可能性について明らかにしました。その後、DXYドルインデックスは、今年、最高の月間上昇率を記録しました。

    状況は、先週の木曜日に変わっていたかも知れません。米ドルは、9月30日に会計年度を終え、10月1日は、新年度予算になりますが、まだ、ありません。バイデン大統領が深夜までに国債の上限の引き上げ法案に署名しなければ、米国政府の停滞だけでなく、デフォルト(債務不履行)に陥るかも知れませんでした。しかし、バイデン大統領は、ギリギリのところで12月3日までの制限解除に署名しました。

    政府の負債に関心が集まる中で、労働市場のニュースは明るいものではありませんでしたが、市場は対照的に米国のマクロ統計にほとんど反応しませんでした。例えば、予想では33万5,000件に減少だった失業給付の新規申請件数は35万1,000件から36万2,000件に増加しました。9月のシカゴPMI インデックスは、66.8ポイントから64.7ポイントに下落です(予想は65ポイント)。しかし、米国の第2四半期のGDPは6.7%増となり、予想を0.1%上回ったことが明らかになりました。

    大西洋を挟んだ中央銀行の政府関係者は、先週、逃げ道を残した慎重な姿勢でした。FRBのジェローム・パウエル議長は、上院議員たちにインフレの加速は減速で変わるべきであると再度述べました。そして、価格の大幅な上昇は、 “サプライチェーンの問題に起因する” として議長の管轄ではコントロールできないと述べました。

    9月28日(火)のECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言もほぼ同じ内容でした。ラガルド総裁は、ユーロ圏におけるインフレの加速を一時的な状況と捉え、市場参加者に過剰な反応はしないよう警告しました。

    ユーロスタットのデーターによれば、9月の消費者インフレ率は3.4%上昇し、13年ぶりの高水準となりました。ちなみに、EUの主力であるドイツのインフレ率は、29年のピーク時が4.1%でした。暫定予測では、ユーロ圏のインフレ率は第4四半期には4%に近づき、2022年上半期は2%以上を維持するとされています。アナリストによると、このような上昇はエネルギー価格の急激な高騰が原因である可能性が高いとのことです。

    一部の市場参加者が、これらの統計と要因を受けて米国の会計年度末にEUR/USD のポジションを閉じる決定をしました。これにより、記録的な利益を上げたことがユーロの僅かばかりの手助けとなり、底値から巻き返し、1.1595で5日間を終えました。

    長期的見通しでは、多くの専門家がユーロに関しては特別な予測はないと考えています。一部では、来年末までに2020年春の安値に戻ると考えている人もいます。直近の見通しに関しては、アナリストの50%がこのペアのさらなる下落を予想しています。D1のトレンドインジケーターの100%とオシレーターの85%が彼らの予想を裏付けています(15% は売られ過ぎシグナルを示しています)。20%は、横ばい傾向、そして、残りの30%の専門家は、このペアの上昇を予想しています。

    サポートレベルは1.1560、1.1500、1.1450。 レジスタンスレベルは1.16851.1715、1.1800、1.1910。

    今後のイベントでは、10月05日(火)に米国のISM 非製造業PMIの発表があります。ユーロ圏の小売売上高は翌日の10月06日に発表です。ADP米国の民間雇用レポートも同じ日に発表され、非農業部門の新規雇用者数(NFP)を含む重要な指標である米国労働者市場のほかのデーターは10月08日(金)に発表されます。

GBP/USD: イングランド銀行 vs 米国連邦準備制度

  • 先週のGBP/USD は同じく弱気筋の勝利です。1.3670で始まり、260ポイントを失った後、9月29日(水)に1.3410で底値になりました。ここから、かなり反発して1.3545で終了しました。

    米国の債務状況により、市場はイギリスの明るいマクロ統計にあまり注意を払っていませんでした。しかし、予想を上回る結果でした。2021年第1四半期のGDPの落ち込みが、マイナス6.1%から4.8%に修正されただけでなく、マイナス1.5%の予想に対して、第2四半期は5.5%だったのです。

    しかし、多くの専門家によれば、週明けのポンドの伸びは、これらの素晴らしいプラスの統計と間接的にしか関連していないとのことです。主な理由はイギリス通貨がかなり売られ過ぎていることにあります: 9月中旬以降、対ドルで約500ピップス下げています。

    現時点では、専門家の70%が1.3400圏内でのサポートを再度試みるために、このペアは下落すると予想しています。残りの30%は、中立な考えです。 テクニカル分析では、依然、弱気側です: Dのオシレーターの85% とトレンドインジケーターは赤です。

    年末までの見通しになると、状況が一変するので注意しましょう。: アナリストの70%が、GBP/USD は、1.3900- 1.4000 圏内に戻ると予想しています。また、70%のうち3分の1は、5月から6月の高値である1.4200-1.4250に達することについても否定していません。

    ここに至るまでの直近のレジスタンスは、1.3600、1.3690、1.3765、1.3810。サポートは1.3400、1.3350、1.3185 圏内。

    シティバンクの専門家によると、現在、ポンドは次の要因で支持されています。まず、イギリスではCOVID-19の入院患者数が減少していることです。イギリスの財政は、パンデミックの後、評価でも経済の正常化の面でも魅力的です。 次に、EUとイギリスの北アイルランド議定書やスコットランドの独立に関する交渉に関する国民投票の否決など政治的リスクが減少したことです。そして、もちろん、主な利上げが2022年5月に0.25%、12月に0.50%にする可能性についてのイングランド銀行の決定です。シティバングのアナリストによれば、このようなイギリスの金融政策の見通しは、 “FRBの政策と突き合わせるのに適してている”とのことです。

USD/JPY: 再び、112.00

  • 多くの専門家 (60%)の予想どおり、 USD/JPY はFRBのQE縮小の発表を受け、112.00 まで上昇し、予想より若干高い112.07を記録しました。予想では、この水平線上で足場を固める可能性は低いとされていました。そして、その通りでした。米国債利回りが1.567%から1.474%に下がり、ドル安が進む中、円は、週末までには損失の多くを穴埋めし111.02で取引を終えました。

    先進国の他の中央銀行とは異なり、日銀は依然として非常にソフトな金融政策とマイナス金利に取り組んでいることを思い出してください。つまり、円は金儲けの道具としてではなく、安全通貨として関心を持たれています。

    現時点では、専門家の50%は、このペアは112.00台を超えたところで調整を試みると予測しています。アナリストの25% は中立で、ほかの25% は下落予想です。

    サポートレベルは変わらず: 110.45、110.15、 109.60、109.10、 108.70 、 108.30。弱気筋の夢(既に、無理そうですが) 4月の安値107.45に再挑戦です。直近のレジスタンスレベルは、 111.00 と 111.65。

    昨年の3月以降、USD/JPY が110.00 台に沿った動きで、108.30-111.00の取引範囲から滅多に脱しようとしなかったことに注目しましょう。このことから、もちろん、大多数の専門家は112.00の嵐が失敗した後には、この取引幅に戻った動きが続くと考えています。

暗号通貨: "弱気筋よ、さようなら"

  • 99Bitcoinsのウェブサイトの統計によると、デジタルゴールドは2021年に37回死ぬと予測されています。興味深いことに、この回数は、ビットコインが2020年に14回だけ“死んだ” 2.65 倍になります。

    99Bitcoinsは、2010年以来、すべてのビットコインの死亡に関して公式な情報源に基づく記事の選択基準を設けています。直近に登録された死亡記事は、2021年9月21日でジョンズ・ホプキンス大学の著名な経済学者スティーブ・ハンケ氏が執筆したもので、ビットコインは投機性が高く資産価値がゼロと記述されています。

    別の登録された死亡記事は、起業家のロバート・キヨサキ氏によるものです。先日、こちらの “金持ち父さん、貧乏父さん”のベストセラー作家は、10月に“巨大な株式市場の崩壊”があるだろうと予測しました。 また、金、銀、ビットコインにも同じ運命を辿ると述べています。キヨサキ氏が予想するこれから起こる主な崩壊理由は、あまりにも多くの国債を売り始めたFRBにあるとしています。

    ほかにも、嬉しくない予想をStock-to-Flow (S2F) モデルの作者である別名PlanBというアナリストもしています。このモデルは、ビットコインの価値を同資産の総供給可能量とその年間増加量の比率に基づいて予測するものです。PlanBの計算によれば、最近、ビットコインのレートは年末に$100,000 上回ると示されました。そして、現在、状況が悪い方向へ変化しました: こちらのアナリストによれば、この重要な主力のコイン価格は、上昇どころか$30,000 に下がる可能性があります。

    確かに、ビットコインの動きは、9月の暗号通貨市場では良い兆候ではなく、BTC/USD は$39,666に下落しました。しかし、10月1日には、大きく変化しました­: ビットコインは、$48,250に急騰でした。私たちは、株式市場と暗号通貨市場は、投資家のリスク選好に基づいた相関関連であると繰り返し指摘してきました。今回も、同じで、S&P500やダウ・ジョーンズなどの株価指数の上昇に並行してデジタル資産の価値も上昇しました。

    ビットコインをさらに押し上げたのは、暗号通貨のデリバティブ取引所の取引量が急増したことかもしれません。ロンドンを拠点とするエニグマ証券のアナリスト、ジョセフ・エドワーズ氏によれば、デリバティブ取引はBTCのスポット価格に影響を与えることが多いとのことです。もう一つの促進力は、イラン当局が暗号通貨のマイニングを解禁する決定かも知れません。

    有名なトレーダーは、ビットコインの上昇を喜び、叫びました: “弱気どもよ、バイバイ “、そして、緑のゾーンにアルトコインが導かれている動きを指摘しました。

    別のトレーダーでは、ヘッジファンドSAC キャピタルアドバイザーのオーナーでビリオネアのスティーブン・A・コーエン氏が将来の急騰につながるビットコインには完璧なシナリオがあると考えています。コーエン氏は、BTCが、まだ、下落すするかも知れないとする一方で、その価格が20週単純移動平均線(SMA)を下回らないことが重要であると考えています。 これは、コインを$64,000に押し上げる強気筋の勢いを生み出す鍵です。

    20週単純移動平均(SMA)は、21週指数移動平均(EMA)と合わせて、コーエン氏が "強気市場をサポートするバンド" と呼ぶものです。彼の見解では、ビットコインがこのバンドの上に留まることが非常に重要であり、歴史的に見ると、BTCは、はじめて再挑戦する時に突破する傾向にあります。

    暗号通貨市場の時価総額は、10月1日に心理的重要なレベルである2.0兆ドルを再び上回り、2.06兆ドルとなりました(1週間前は1.84兆ドル)。しかし、Crypto Fear & Greed インデックスは、27ポイントで、依然、恐怖圏内のままです。

    そして、最後に、私たちのジョークのような暗号通貨ライフハックのコラムの中に、もう一つヒントがあります。さて、暗号通貨でお金を稼ぐのに何が必要でしょうか? それは、ハムスターを飼って、ハムスターに取引するチャンスを与えることだとわかりました... 。過去3ヶ月で、Twitch platform の暗号通貨トレーダーであるハムスター-Mr.Goxxは、 - 30%増加させました。同じ時期に、ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイのファンドの資産は2%減少でした。

    ハムスターの飼い主は、2021年6月に、ArduinoNanoコントローラーに接続された光学センサー付きの特別なケージを作成しました。まわし車が回ると、Mr. Goxx が暗号通貨の種類を"選び" ます。このプログラムは、ハムスターが左のトンネルを通り抜ければ、コインを売り、右であれば、買いになります。

    この有能なハムスターはバークシャー・ハサウェイだけでなく、S&P500(同期間で6%増)やナスダック100(12%増)、同じくビットコイン自体(23%増)よりも好成績を成し遂げました。

 

NordFX Analytical Group

 

注意: これらの資料は、金融市場への投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引には、リスクがあるため投資資金を全て失う可能性があります。

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