ほんの数年前は、暗号資産の崩壊がいつなのかが最大の関心事でした。時が経つにつれ、ビットコインはトレーダーや投資家の気持ちやポートフォリオに徐々に浸透していきました。デジタルゴールドは現物の金などの投資資産と競合する手ごわい相手として浮上してきました。
ビットコインのメリットやデメリットは、価格の上昇や下落の分析とウォール街のベテランアナリストやニックネームでSNSに投稿するアナリストによる見解と伴に、この一年間、活発に議論されてきました。ビットコインのボラティリティが非常に高いにもかかわらず、両者の予想が極めて正確であったことに注目です。今日の中心は、ビットコインの2023年、2024年以降の予想、そして、全体的にあいまいな表現ではなく、具体的な数字を示していることです。
2023: 正確だった人たち、惜しかった人たち
ビットコインにとって間違いなく成功した昨年を振り返ってみましょう。高値や安値があったにもかかわらず、BTC/USDは$16,515で年明けをスタートして、12月8日時点では、2.7倍上昇した$44,694の高値をつけました。 ビットコイン急騰理由については、ネットワークハッシュレートの増加、連邦準備制度理事会の政策緩和への期待、そして、もちろん、証券取引委員会(SEC)によるスポットビットコインETFの承認と2024年4月のビットコイン半減を挙げています。これら全ての材料が市場センチメントに影響を与え始めたのが2023年後半になってからだということに注目です。つまり、今年の前半による予想は、特に興味深くなります。
オルタナ・デジタル・カレンシー・ファンドのITデレクターのアリステア・ミルン氏は"2023年の年末までのビットコインは最低でも$45,000" と既に1月にはほぼ的中した予想を示していました。
モルガン・クリークのマーク・W・ユスコ代表は2月に次の強気相場がマクロ経済の良好な状況から、早ければ2023年第2四半期に始まる可能性があると的確に示しました。同氏は、米連邦準備理事会がこの期間に政策金利を下げる見込みは低いと述べていました。ただ、金利調整のスローダウン、または、停止は暗号資産などのリスク資産にとって明るい兆しになります。ユスコ氏は、次の半減期を強調して、通常は、このようなイベントの9ヵ月前にはデジタル資産市場の回復が始まっているので、この上昇は2023年の夏の終わりには始まっていたはずだと述べています。
マトリックスポートのアナリストは、1月のビットコイン相場と過去のデータを比較して、米国の消費者物価指数(CPI)の伸び率の減速、ビットコインが夏までに$29,000、そして、クリスマスには$45,000 と正確な予想でした。この素晴らしい予想は、独自の分析に基づいています。
トレーダー、アナリスト、そして、Eightの創設者であるマイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏は、ビットコインが年末に$40,000 に上昇すると3月の上旬に動画で発言していました。同じように、ギャラクシーデジタルのマイク・ノボグラッツCEOは、米連邦準備制度理事会が政策金利の引き下げを始めれば、この水準になると$40,000の予想でした。度々、予想が的中したことで知られるトレーダー、Dave the Waveも5月に同じく$40,000 のターゲットで、保守的な予想であることを強調していました。
BTC/USD は、6月前半に$25,000を割り込みましたが、市場は、わずか数日で大手金融機関がSECにスポットビットコインETFをSECに申請することを、まだ知りませんでした。これらのファンド立ち上げ申請企業には、ブラックロック、インベスコ、フィデリティなどのグローバルな資産運用会社が含まれています。この時点でビジネスインサイダーはアナリスト予想に関心を寄せました。同社の調査から集めた意見を紹介しましょう。
シスコイン財団の理事、ジャグディープ・シドゥ氏は、くつかの暗号の嵐にもかかわらず、エコシステムの回復力が明らかになったと考えています。市場は FTXの灰から回復していて、米国のインフレ率が低下すれば、ビットコインは年末までに$38,000 になると述べていました。TRONのエコシステム開発ディレクターであるデビッド・ウフリニアック氏は、ベンジャミン・コーウェン氏と伴に、ビットコインが年末には$35,000以上になると予想していました。
Finder.comが29人のアナリストを対象にしたコンセンサス予想では、年末が$38,488、2023年のビットコインの高値は$42,000でした。全体としては、大半(59%) がBTCについて楽観的で市場参入のタイミングは夏が適切であり、34% がビットコインの保持、7% が売りを推奨していました。
2023: ターゲットを超えたか、下回ったか
確かに、すべての結果が今年の予想に近かったわけではありません。 予想でよく言及されたターゲットは$50,000で、これは、CryptoYoddhaとして知られるアナリスト、TradingShotのアナリスト、元ゴールドマンサックスのトップマネージャーでリアルビジョンのCEOであるラウル・パル氏 によって、BTC/USD がこの水準になると予想されていました。BTCの2018年の調整を正確に予測した伝説的なトレーダーでアナリストのピーター・ブラント氏は、今回のターゲットをさらに高くしていました。ビットコインは、2023の後半に前回の史上高値の$68,000 に近づき、そして、調整の後、史上高値更新という見方をしていました。
2023年の1月の下旬、アナリストの通称Plan B はビットコインが年末に$100,000 に上昇すると予想していました。さらに、ビットコインの供給可能量と生産速度の関係を測定する、同氏が開発したストック・ツー・フロー(S2F)モデルを引き合いに出して、早ければ3月にもビットコインは$42,000 水準になると見積もっていました。しかし、現在、ご存じのとおり、$42,000 は9ヵ月後であり、12月の$100,000 は達成不可能な価格のままです。
ズラウフアセットマネジメントの創設者であるフェリックス・ズラウフ氏は、ビットコインが2023年の春の終わりに上昇すると明言して、$100,000 の急激な上昇トレンドについても否定しませんでした。Credible Cryptoのアナリストも楽観予想で、ビットコインが $69,000 圏内の史上最高値更新を示しました。CNBC の業界で影響力のある人を対象にした調査では、テザーのCTOパオロ・アルドイーノ氏が$69,000を示した一方で、仮想通貨取引所ジェミニの戦略ディレクター、マーシャル・ビアード氏は$100,000を示しました。投資家であり、有名な"金持ち父さん、貧乏父さん"の著者でもある ロバート・キヨサキ氏は、さらに大きな数字でビットコインが$120,000になると今年の初めに述べていました。
市場は強気筋だけに動かされているわけではありません。市場には弱気筋もいれば、"暗号資産埋葬者"すらいます。例えば、ブルームバーグのアナリスト、マイク・マクグローン氏は5月にビットコイン価格が$7,366のサポートレベルまで暴落すると予想していました。これは、同氏のビットコインが$100,000に上昇するとした昨年末である2022年末の予想とは対照的でした。
イギリスの多国籍金融コングロマリットであるスタンダード・チャータードのストラテジストは、流動性の危機が仮想通貨取引所や新たな企業倒産につながるため、2023年のBTC は$5,000 の急落見込みを予想していました。Grinding Poetで知られるアナリストは、 " 2018 年の安値は回避できない"として、$3,150を新たなターゲットにしていました。
2024: 楽観と超楽観
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェイミー・クーツ氏は、2024年4月に半減する前にビットコイン価格が$50,000に上昇すると予想しました。ブルームバーグのシニアアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、SECがBTC-ETFの申請を承認することで、30兆ドル規模のビットコインが資本市場に流れ込むと説明しています。ブルームバーグは、承認が1月8日から10日ごろであり、間もなくだろうと予想しています。分析会社のFundstratの予想によると、これにより1日あたりのビットコインの需要は1億ドルの増加見込みです。このシナリオによると、半減する前ですら、BTC相場は$180,000の可能性があります。
ブロックストリームのCEOであり、BTCの初期の開発者の一人であるアダム・バック氏は、この数年間を聖書にあるペストの大流行になぞらえました。" COVID-19、中央銀行の量的緩和、エネルギー価格に影響する戦争、人々や企業を破産に追い込むインフレがあった"と説明しました。バック氏によると、2023年が終わりに近づくにつれ、こうした出来事の多くの影響は薄れてきました。 "スリー・アローズ・キャピタル、セルシウス、ブロックファイ、FTX関連の破産は... ほぼすべて終わった。多くの大きなサプライズはないと思う" 。バック氏は2024年がビットコインの回復の年で、予定されている4月の半減期前に$100,000 になるとした見方をしています。
以前、Blockstream に在職していて現在、Jan3のCEOであるサムソン・モウ氏もこの意見に同意です。シーキング・アルファのアナリストも同様な数字であり、半減期後のマイナーを維持するために、ビットコインは$98,000付近になるべきだと示しています。
スタンダード・チャータードのエコノミスト、特にジェフ・ケンドリック氏も同様の見通しです。こちらのエコノミストによると、現在の状況が"暗号資産の冬" の終わりを示しています。しかし、予想は、やや保守的で$100,000 台になるのは2024年末になってからです。 Apple の共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏も、この概数です。LedgerのCEO、パスカル・ゴーティエ氏、Lightsparkの代表、デビッド・マーカス氏、CoinDCXのトップマネージャ、ビジェイ・アイヤル氏もビットコインが$100,000に上昇すると予想しています。
投資家で"金持ち父さん、貧乏父さん"のロバート・キヨサキ氏は、米国経済は非常に深刻な危機に瀕しており、暗号資産、とりわけ、ビットコインはこの激動の時代の投資家にとって安全資産だと信じています。キヨサキ氏は、半減が重要な出来事であり、ビットコインの価格を$120,000に上昇させる可能性があると予測しています。暗号資産金融サービスの Matrixportのリサーチ責任者、マーカス・ティーレン氏は、$125,000と近い数字を示しています。有名なブロガーでアナリストのラーク・デイビス氏 は、半減がビットコインの価格を$150,000、さらには$180,000の上昇になるかもしれないと考えています。 Fundstratの共同責任者、トム・リー氏は$185,000の上昇予想です。
Dave the Waveの計算によると、 2024年4月の半減後のBTCは、史上最高値の$69,000をやや上回る程度まで2024年の中頃には上昇しますが、年末には $160,000にまでうなぎのぼりとなります。 アリステア・ミルン氏は2024年末までのBTC相場は$150,000-$300,000と予想しています。しかし、 "これは、強気筋にとっての絶好のチャンスかもしれない" と警告しています。LookIntoBitcoin のアナリストは、最低でも$110,000に近づいた時にビットコインを売却するようにアドバイスをしています。
そして、最後に、人工知能(AI)の新しい視点を紹介しましょう:このような議論に益々欠かせない存在となっています。Finbold のアナリストは、待望の2024年半減後のビットコインの価格を機械学習システムであるGoogle Bardに訊いてみました。AI予想では、ビットコインが半減だけでなく、普及の広がりや機関投資家の関心により、史上高値を更新する可能性が高いと予想しています。Google Bard は、特に、半減後は$100,000にビットコインは上昇すると示しています。しかし、 AI はビットコインの上昇を制限する材料もあり、2024年に暗号資産の冬が継続されることも否定していません。
対照的に、Google Bardの競合でOpenAIが開発した ChatGPTは、より楽観的な反応しました。ビットコインは$150,000の高値を示しています(この記事のイラストもMicrosoft BingのAIによるものです)。
2024: やや楽観とやや悲観
前述のすべてのシナリオを一定の範囲内でのコンセンサス予想にすると、$100,000から$180,000圏内になります。この取引幅は投資家にとって間違いなく望みを与えてくれますが、より保守的な悲観的な予想ですらあります。
アナリストのPlanBは、2023年にターゲットの達成に至らなかったことから、予想を大幅に下げました。"半減期前のビットコインの予想価格は$32,000"、"半減期中は$55,000 、その後、年末にはビットコインは$66,000に上昇見込み"と投稿しています。 仮想通貨取引所BitMEX の元CEO、アーサー・ヘイズも$70,000という "控えめな" ゴールにしかならないだろうと述べています。
CryptoVantage社からの冷静な見通しは米国の暗号資産投資家1,000を対象にした調査によるものです。 23% だけが、来年のビットコインが史上最高値の$68,917になると信じています。47% が5年以内にこの水準にまで上昇するとした見方です。78%はBTCが 史上最高値まで戻るとしていますが、その時期までは特定できないとしています。しかし、9%が決してないと考えています。
BBCワールドのアナリスト、グレン・グッドマン氏も懐疑主義のコーラスに加わりました。同氏は、$120,000という数字を "現実的な根拠のある予測というよりも、何もないところから引き出された数字のように思える" とコメントしました。グットマン氏は、このような予想者は強気市場に有利で重要ないくつかの要因を見落としていると主張しています。同氏によると、最も肝心なのは米国の金融規制当局が訴訟や調査で暗号資産業界を執拗にターゲットにしていることです。このような状況に、JP モルガンのアナリストは2024 年のビットコインは$45,000前後が最高値として考えられるとしています。
2025 以降: $1,000,000 から $10,000,000。誰が一番高い予想?
"あまりにも先のことを見据えることは先見の明ではない" 、1940-1945年と 1951-1955年にイギリスの首相だったウィンストン・チャーチル卿の言葉です。尊敬すべきイギリスの首相に耳を傾けるかもしれませんが、一部のインフルエンサーは目先のことを恐れることなく、あえて長期的予測を立てています。
Finder.comによる29人のアナリストの調査結果ではBTCの価格が$100,000になるのは、2024年ではなく、2025年末で、2030年末には$280,000の可能性があります。Trader Tardigrade として知られるアナリストは、ビットコインは2013年から2018年までと同じ価格構造をたどっていると見解しています。同氏の見解が正しければ、開始価格の"ブーム" でビットコインは2026年までに400,000ドルまで上昇する可能性があります。
第3世代のベンチャーキャピタリストで、ドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソンの共同設立者であるベンチャーのティム・ドレイパー氏は、2025年について楽観的です。半減期はビットコインの相場に大きく影響して、最終的には$250,000になると考えています。以前、同氏は BTCがこの水準に2022年末に予測していました。予測通りにではなかったため、2023年中旬までに延ばしました。現在、ドレイパー氏は予測を再び修正して、ビットコインは2025年の6月末にターゲットに達成すると断言しました。同氏によると、上昇要因の一つは、主婦が買い物にビットコインを使うことでBTCが幅広く一般的になる女性によるビットコインの普及です。
ギャラクシー・デジタルのCEO、マイク・ノヴォグラッツ氏は代替的金融資産の需要は今後も続き、その一つがビットコインだと考えています。同氏は、長期的だとビットコイン相場は$500,000になると予想しています。この予想額の2倍にして、仮想通貨取引所BitMEXの元CEOのアーサー・ヘイズ氏と元トレーダーでTV司会者、現在はエルサルバドル大統領顧問のマックス・カイザー氏も1コインあたり、100万ドルという数字を挙げています。マイクロストラテジーの創設者であるマイケル・セイラー氏は、より極端な意見で"ビットコインはゼロに急落か、100万ドルに急騰のどちらかだ"と述べています。
ARKインベストのCEO、キャシー・ウッド氏は 暗号資産市場の時価総額が大幅に高くなり、2030年までには2100% 以上増えて、25兆ドルになると予測しています。ARKインベストの基本的なシナリオでは、この間にビットコインの価格は$650,000に上昇ですが、より楽観的なシナリオでは$1,500,000までの上昇が考えられます。ARKインベストのアナリストでウッド氏の同僚のヤシン・エルマンジュラ氏は、このようなビットコインの上昇予想は想定できないかもしれないが、暗号資産開発の歴史を考慮すれば"かなり理にかなっている" と述べています。
ボストンを拠点とする投資会社、エクイティ・マネジメント・アソシエイツのマネージング・パートナー、ラリー・レパード氏も長期的な予測を示しています。今後10年間でドルは下がり、人々は暗号資産、金、現物の土地に投資を増やしていくでしょう。ビットコインには供給制限があり、デジタル資産は人気のある投資ツールとなるため、法定通貨崩壊から有利となるでしょう。"ビットコインの価格は急上昇すると見ている。まず10万ドル、次に100万ドル、そして最終的には1コインあたり1000万ドルまで上昇すると思う。1コイン保有しているだけで、どれほど裕福になるかということで孫たちはショックを受けると確信している" とレパード氏は述べています。
人工知能のChatGPT は、もう少し控えめなシナリオです。ビットコインは2028年までに50万ドル、2032年までに 100万ドル、2050年までに500万ドルに上昇すると示しています。しかし、このAI予測には、いくつかの条件があります。暗号資産の幅広い普及; ビットコインが貯蓄として一般的になること; ビットコインが数多くの金融システムで扱われること。これらの条件を満たさなければ、AIの計算によれば、2050年までのコインの価値は$20,000から$500,000の見込みになります。
ビットコインの埋葬隊: $0.0000。誰がより安い予想?
ニュートンの第三法則によれば、すべての作用には等しく反作用があるといいます。この法則は1689年のものですが、21世紀の暗号資産にも適用できそうです。ビットコインの価値を上げようと躍起になる者がいれば、ビットコインの価値をさらに下げようとする者も必然的に現れます。
ビリオネアで株式市場のレジェンド、ウォーレン・バフェット氏は"殺鼠剤の2乗"という表現で有名です。同氏の長年のパートナーである 持ち株会社バークシャー・ハサウェイの副会長、チャールズ・マンガー氏も同様に批判的です。2024年1月1日に100歳になるにもかかわらず(おめでとうございます)、このデジタルの"悪魔"を積極的に反対し続けています。
マンガー氏は、ビットコインへの投資をギャンブルと同じだとして、米国当局にビットコインの破棄を求めています。ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、同氏は暗号資産業界が世界の金融セクターの安定性を損ねており、BTCは本質的な価値を持たないため資産クラスと見なすことはできないと主張しました。最終的にはこの業界の息の根を止める厳しい規制措置の対象とすべきだと考えています。"今まで見てきた中で一番愚かな投資だ"と有名な投資家は声を荒げています。 "こんな無意味なものを許可する自国を誇りに思えない。こんなくだらないものを買う人がいるなんて笑える。非常識だ。有害なだけだ" 。自身に反対意見の全員を間抜けとして、ビットコインを"腐った品物" や"性病"と決めつけています。
ジョンズ・ホプキンス大学の経済学教授スティーブ・ハンケ氏もビットコインを批判しており、ビットコインの価値はゼロだと主張しています。BTCは、経済的価値も実用性も持たない極めて投機的な資産として分類しました。
ユーロ・パシフィック・キャピタルの社長で金の愛好家であるピーター・シフ氏は"暗号資産ほど劣るものはない"、つまり、 "ビットコインに価値はない" という考えです。ビットコインの保有者をカルトになぞらえています。"ビットコインを必要とする人は誰もいない。人々は他人に説得されて初めてビットコインを購入する。一度、[BTC]を手にすると、すぐにほかの人を引き込もうとする。まるで、カルトだ " と書いています。2017年に遡ると、ビットコインは直ぐに価値がなくなると予想していました。それから、数年経っていますが、同氏は考えを変えていません。最近、"ビットコインのゼロへの旅は、ただ遅れているだけ。最終的にはビットコインは崩壊する"と繰り返し述べました。
アメリカ銀行大手JPモルガンのトップ、ジェイミー・ダイモン氏もデジタル・ゴールドを激しく批判しています。CNBC の放送でビットコインの発行上限が2100万コインとされていることに懐疑的な見方を示しました。"どうしてわかる?2100万枚に達すると、サトシ[ナカモト]の写真が飛び出してきて、あなた方全員を笑うかもしれない"と将来について案じていました。
CNBCの"マッド・マネー"の司会者、 ジム・クレイマー氏も、そのリスクに注目しています。業界の大手企業が何を隠しているのか誰も本当のところは知らないし、顧客に対して誠実である保証もないと考えています。同氏によれば、新たなスキャンダルがあれば、ビットコインの価値は暴落して投資家の資産がリスクにさらされるといいます。DeCarley Tradingのシニア・コモディティ・ストラテジスト兼ブローカーであるカーリー・ガーナー氏の意見を参考にして暗号資産に手を出さないことを推奨しました。
経済学者でありワームス・アセット・マネジメントのパートナーであるディーター・ヴェルムス氏は、ビットコインの見通しについて、ビットコインがなければ、経済はよりよく、シンプルになると述べました。同氏の見解では、ビットコインの放棄は理にかなっています:ビットコインへの投資は無駄が多く、資金が全体的な経済成長から流れてしまうため、全体的な繁栄にとって有益となる可能性があります。さらに、ビットコインは社会的不平等を生み、マネーロンダリングや脱税を助長させ、マイニングには大量のエネルギーを消費します。ディーター・ヴェルムス氏は、ビットコインを"気候殺人の主犯"とすら呼んでいます。
1兆5000億ドル相当の資産を運用する投資会社フランクリン・テンプルトンのCEO、ジェニー・ジョンソン氏もビットコインに懐疑的です。ビットコインが真のイノベーションから最も目をそらしているものだと主張しています。また、ビットコインは米国政府から認められないため、世界通貨には決してなることはないと確信しています。"ビットコインが基軸通貨としてのドルを脅かすほど重要になった場合、米国はその使用を制限するだろう" と述べました。
確かに、ジョンソン氏の発言は唐突ではありません。この一年間に暗号資産業業界における規制圧力、法的紛争、天文学的な罰金については多く議論されてきました。証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、暗号資産業界の現状を荒々しい20世紀初頭になぞらえています。当時、証券取引委員会では厳格な措置をしてきましたが、現在も、ビジネスマンを威圧して、業界を牽制するために必要だと考えています。SECの元委員のジョン・リード・スターク氏は、ゲンスラー氏と同意見です。"暗号資産の相場は2つの理由で上昇している" 、"まず、規制の隙間と潜在的な市場操作のため;次に、過大評価されて吊り上げられたビットコインをさらなる愚か者に売却するため"と述べています。
このような発言は米国の規制当局だけに限らず、世界中の多くの政府でも同様です。例えば、欧州中央銀行では2022年12月にビットコインは妥当性を失ったと公言しました。しかし、後に、 ECBは 評価を修正し、暗号通貨は依然として法定通貨の代替通貨として機能しうると述べました。
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ビットコインの誕生以来、その終焉が474回宣言されたことは注目です。ビットコインの死亡カウンターは99bitcoinsというプラットフォームで管理されています。この情報リソースは"ビットコインの訃報 "として知られるものを集計しています – 有名人、ニュースポータルなどの多くの読者のいるメディアが下落した、または、下落しようとしていることを明確に主張する発言を集計しています。このような"訃報"は2021年に47 回、2022年には27件、そして2023年の"死亡"宣告は、たった7回でした。 この数字は過去10年間で最低であり、ビットコインが生きているだけでなく、否定派の懐疑論にもかかわらず、繁栄を続けていることを示しています。
この長いまとめの最後に、興味深い統計を見てみましょう。DocumentingBTCによると、ちょうど 10 年前に実物の金に$100を投資した投資家は、現在の口座に$134だけしかありません。Google に投資した場合、$504、フェイスブックの場合– $818、アマゾンの場合 – $830、ネットフリックスの場合 – $1,040、そして、マイクロソフト場合は$1,111になります。 Appleの投資家は、$1,208まで投資額を増やすことができました。テスラは第3位で$100から$4,475の増加です。エヌビディア株は$8,599で第2位です。しかし、ビットコインに $100投資していたなら、現在は驚きの $25,600! これが、ビットコインがこの10年で最高の投資と称賛される理由です。結果はあなた次第です。
明けましておめでとうございます!
NordFX Analytical Group
注意: この内容は金融市場への投資推奨やガイドラインではなく情報提供のみを目的としています。金融市場の取引には、リスクが伴うため入金した資金のすべてを失う可能性もあります。
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