2022年1月 24 – 28日のFXと暗号通貨の予想

EUR/USD: FOMC会合: 市場の待ち望む日

  • 来週だけでなく、明らかに今月のメインイベントは1月26日の米連邦準備制度理事会のFOMC(連邦公開市場委員会)の会合でしょう。政府は、すぐに、利上げをするのでしょうか? 3月になるのでしょうか? それとも刺激策縮小を漠然と延期するのでしょうか? これらの疑問が、まだ、明らかになっていません。

    ロードマップに3つのメインポイントがあったことを思い出してみましょう。: 1) 3月に緊急刺激策の縮小、2) 2022年に3回の基準金利の利上げがあり、1回目は3月の可能性があり、3) 政府は、バランスの通常化に着手する。しかし、月の下では、何事も永遠に続かないように、連邦準備制度理事会の金融政策も同じです。つまり、これらのポイントは、いつまでも変わらないわけではなく変更があります。

    ECB のクリスティーヌ・ラガルド総裁でさえ、先週、確かな情報によっては、政策の調整準備ができていると述べました。 “調整準備ができている”では、まだ、はっきりとしていませんが。 それに、“準備” は、とても曖昧なコンセプトです。

    ラガルド総裁によると、あまりにも急速な利上げは、ヨーロッパのGDPの成長率を遅らせることになります。では、なぜ、金融刺激策を減らし、基準金利を上げるのでしょう。銀行側の運営陣によるところの急激なインフレが一時的現象だからなのでしょうか? また、米国のインフレ率は、ヨーロッパより上昇しています。そこで、FRBにはインフレ阻止の方法を頭痛の種にしておきましょう。なお、ECBは2023年まで利上げを待ちながら、海外の状況を見ていくのでしょう。

    米国の中央銀行のタカ派スタンスと欧州中央銀行のハト派のスタンスの違いが明確であることがドルを強くサポートし、EUR/USD を押し下げました。しかし、投資家の動向は、実際の政治経済の要因ではなく、投機家により広まった噂で決まることがあります。

    1月11日に、そのようなことがありました。その日、米国議会で、ジェローム・パウエル議長が40年来の記録的なインフレに対抗するため、FRBは今年少なくとも2回、必要なら3回のリファイナンスレートの利上げをすると述べました。つまり、実際には、何も新しいことは語っていませんでした。しかし、噂により市場は何らかの理由で"4”という数字を待ちわび、その様子がなさそうなのでがっかりしさせられました。その結果、 DXY ドルインデックスは非常に上昇し、EUR/USD は下がるどころか上昇しました。

    米国のインフレデーターにより、翌日の12日にはユーロのポジションは強くなり、EUR/USD は1.1220-1.1385の中期ボーダーを突破し、さらに上昇しました。1月14日の朝は、1.1482で9週間での高値をつけました。市場はユーロ高に現実的な理由がないとわかると、このペアは、1月18日火曜日に再び1.1220-1.1385 への流れとなり、1月21日は1.1300 の安値をつけました。取引終了の鐘は1.1343で鳴りました。

    執筆時点では、D1オシレーターのほとんど(55%)が赤、20%が緑、25%がニュートラルグレーです。トレンドインジケーターは90%が赤で、10%が緑です。専門家の間では、大半(55%) がドル高、45% がドル安を支持しています。直近のレジスタンスは1.1370-1.1385、次に1.1400-1.1435、1.1480、1525。直近のサポートは、1.1300-1.1315、そして1.1275と1.1220。これに続き、昨年11月24日の安値1.1185 と1.1075-1.1100 圏内。

    来週の経済カレンダーでは、米連邦準備制度理事会のFOMCとその後の運営陣の記者会見のほか、24日(月)に発表されるドイツとユーロ圏の企業活動に関するデーター(マークイット指数)に注目です。1月27日(木)は米国のGDPの速報値、耐久財受注量が発表予定です (このような商品の購入には、多額の資金が絡むため、インフレ要素を含んだ米国の経済状況を反映させます) 。そして、最後に、ドイツのGDPデーターが取引最終日の1月28日に発表されます。

GBP/USD: 利上げに賭ける

  • 先週は、ドルはポンドに対してややポジションを強めました。GBP/USD は、1月13日に1.3748でしたが、1月21日の夕方には、 1.3545 に下落しました。専門家の一部によると、これは、総体的にポンドの買われ過ぎが要因です。イングランド銀行の3年ぶりの0.1% から 0.25%の利上げ決定後、このペアは、およそ575ポイント上昇を示しました。つまり、現在の200ポイントの下落は、中期的なトレンドの反転ではなく、一時的な調整の可能性があります。

    米連邦準備制度理事会がタカ派の姿勢にもかかわらず、ポンドが再び上昇するチャンスは大いにあります。1月19日に公表されたCPIでは、イギリスのインフレ率が15年以上の高水準であり、5.4% でした(前回は5.1%、予想は5.2%)。インフレ圧力の継続的な高まりにより、政府は早ければ2月3日の次回の会合で基準金利の利上げをするかもしれません。同時に、イギリス経済のオミクロン株による影響が少ないことを背景に、コロナウィルスのパンデミック時に導入された金融刺激策(QE) の削減計画も見直される可能性があります。

    ロイターが45人の専門家を対象に実施した調査によると、その大半(65%)はイングランド銀行が2月3日に再び利上げをおこない、今回は0.5% になると示しています。スコシアバンクのストラテジストによると、もしそうなれば、GBP/USD は1.3800付近の水準に戻るかもしれません。

    75%以上のアナリストは、3月末までに0.5%に引き上げられると予想しています。中央値の予想でも、イギリスで政府は第3四半期に、さらに25ベーシスポイントまで上げるでしょう(予想より、最大四半期早く)。その後、さらなる上昇が、2023年はじめのおよそ1%まで続くことになるでしょう。

    しかし、今後数日の予想では、60% が弱気側でこのペアが1.3450-1.3500圏内に少なくとも下落すると見通しています。D1のインジケータのほとんどはこの予想と同じです: オシレーターの60% は売り(10% は既に売られ過ぎ圏内ですが)、 20%が買い推奨、残りの20%が中立の立場です。トレンドインジケーターでは、40% が上向き、60% が下向きです。

    サポートは1.3525、1.3480、1.3430、1.3375で、次の強いサポートは100ポイント低くなります。レジスタンスレベルは、1.3570-1.3600、1.3640、1.3700、1.3750、1.3835、1.3900。

    イングランド銀行の会合が2月上旬にあるのみで、来週のイギリスからの重要なマクロデーターは、ほとんどありません。24日(火)にはマークイット事業活動指数の発表があり、ボラティリティが高まる可能性があります。もっとも、米連邦準備制度理事会の会合前日では、投資家はあまり関心を示さないでしょう。

USD/JPY: 安全通貨としての円

  • 先週18日には、もう一つの中央銀行の会合が日本でありました。予想通り、基準金利はマイナス0.1%で同じマイナス水準のままでした。既に述べましたが、政府によると、この国は円高を必要とせず、円安が輸出と企業利益をサポートするとして、むしろ、経済に貢献する可能性が高くなります。

    全体的に、USD/JPY の先週の結果は中立と評価できます。まず、上昇して、1月18日(火)には115.05の高値をつけました。その後、トレンドは下落傾向に変わり、このペアは1週間前の取引値に下がり、5日間の終わりには113.60-114.00 まで下がりました。

    日本円は、市場のリスク選好が弱まったことで支えられました。投資家は、再び、リスク資産を手放し、"安全通貨"を支持しました。この感情の変更理由は、インフレ率上昇の見通し、世界の中央銀行の金融政策の不確実性、政治的緊張の高まりです。

    USD/JPY は、先週、113.66で終了しました。つまり、過去3か月間の定期的な取引範囲である113.40-114.40です。また、60% のアナリストが上昇、25%が下落、15%が横ばい傾向の支持をしていますが、中央値では、この範囲内にとどまるだろうとされています。もちろん、米連邦準備制度理事会の会合でのサプライズがなければの話ですが。そして、国際政治情勢も忘れてはならず、サプライズの可能性もあり、非常に喜ばしくないものです。

    D1オシレーターでは、25% が既に売られ過ぎシグナルを示していますが、100%が下向きです。 トレンドインジケーターでは、65%が売り推奨、35% が買い推奨です。サポートレベルは113.50、113.20、112.55、112.70。直近のレジスタンスゾーンは114.00-114.25、114.40-114.65、その後115.00、115.45、116.00、116.35レベル。

暗号通貨: 暗号通貨市場はただの冬ではなく極寒

  • リスク資産の相場は、米連邦準備制度理事会の会合を前に強い圧力を受けています。ダウ・ジョーンズ、S&P500、ナスダックの株価指数は、1月のほぼ全期間でポジションを失っています。しかし、人気のある暗号通貨に関しては、この2週間の弱気筋の攻撃にかなり反撃することができました。ビットコインについて言えば、購入者はBTC/USD 相場が心理的な重要なレベルである$40,000台にならないように努力しました。しかし、弱気筋は1月21日(金)に防衛を打破し、このペアは$36,160に下がりました。暗号通貨市場の時価総額も下がり、1.72兆ドルに減少、Crypto Fear & Greedインデックスは、非常に恐怖の圏内にしっかりとどまっており、19ポイント下がりました。

    多くの専門家によると、この状況は、現時点において暗号通貨にとって良い兆候ではありません。バブルはしぼんでいるので、ビットコインの価格が$30,000に下がる可能があります。この見解は、投資会社インベスコのアナリストが、1929年の暴落になぞらえて述べたものです。

    $69,000の高値からの下落は、まさにバブルのパータンであるとアナリストは述べています。 この軌道では、ピーク後の12ヵ月以内に資産の45%を失うと推測しています。つまり、計算によると、価格は10月末までには$34,000-$37,000、2022年の年末までには $30,000に下落します。

    同時にインベスコは、ビットコインの価格が$10,000に下回ると予想した2021年の予想に誤りがあったと認めています。アナリストは、ビットコインのバブルは一つではなく、一連のバブルのようだと誤りについて説明しました。 (おそらく、インベスコのアナリストが早かっただけで、この予想は今年に当てはまるかも知れませんが)。

    人気のアナリストであるPlanB も昨年の予想を外しました。同アナリストがビットコインのレートの推移を予想するモデル (S2F)を開発して、そのシグナルが2021年に$100,000 の上昇を示したことを思い出してください。S2F予想が当たらなかったにもかかわらず、 PlanB は自身の理論を貫き続けています。同アナリストによれば、ビットコインは、2020年の半年までの潜在的な可能性をまだ果たしていないと確信しています。Plan Bによると、現在、ビットコインは安値圏内付近であり、3月の市場高値更新の準備をしているところです。Plan Bによると、現在のサイクルでのビットコインの最高値が2022年7月‐8月に更新される可能性があります。

    また、テレビ司会者で元トレーダーのマックス・カイザー氏も予想を外した一人です。同氏は、別のインタビューで、昨年ビットコインが予想の$220,000を実現しなかった理由を説明していました。 “2021に関しては、標準的な4年周期で1コインあたり$220,000なると述べました。 2021年は、中国での大規模なマイニング崩壊があり、ハッシュレートは50%に下落しました。その後、回復して、ハッシュレートは新記録に達成しそうです。これが、私の目標を2021年から2022年に移した理由です"

    “価格、ハッシュレート、複雑な設定:この3つに気に留めておく必要があります” とマックス・カイザー氏は説明しています。“私は、常に価格はハッシュレートに遅れをとると言ってきました。つまり、ハッシュレートが過去最高になれば、ビットコインの最高値もこれに続くことになるでしょう”

    SEBA 暗号通貨銀行のGuido Buehler CEOは3倍ほど控えめな目標です。同氏は、2022年末までにビットコインは$75,000 まで上昇すると考えています。“当社の内部評価モデルでは、$50,000から$75,000の価格帯を示しています。このレベルになるではないかと私は、かなり確信しています” と同氏は述べ、ビットコインのボラティリティは大きいままですが、資産は新記録を試みることができ、唯一の問題がタイミングですと付け加えています。

    暗号通貨アナリストのジャスティン・ベネット氏の予測もここでの数字的はかなり小さいですが楽観的です。ベネット氏はビットコインの過去の価格推移モデルを検証し、資産の20-30%上昇予想を示しました。 “2021年の年明けから始まった清算レベル以下の最安値から、その後の上昇推移でわかります。このような動きの平均レートは、およそ63%であり、最低は4月で、およそ27%でした – と同氏は述べています。 “このデーターから、$40,000付近で安値を見つけ、その後、およそ27%の最小推移で市場では$50,000付近になるでしょう。$50,000-53,000の範囲は非常に重要で、売り手がレジスタンスとしてこの範囲を防衛していることからこの可能性は非常に高くなります。

    イーサリアムの将来性についても明確な見解はありません。一部でETH/USD が2023年に$7,000-10,000になることを期待しているままである一方で、ビットコインの後の崩壊がくると予測している人もいます。例えば、45年の経験があるウォール街のトレーダー、ピーター・ブラント氏はイーサリアムの価格がさらに下落すると予想しています。同氏の見解では、技術的観点から、こちらのアルトコインは、“NFT、特殊なトークン、メタバースへの関与の点から非常に複雑でコストがかかり、ユーザに不便なプラットフォーム” です。これを踏まえて、ブラント氏はイーサリアムへの投資家の注目は薄れ、競合に道を譲ることになると結論づけています。

    ピーター・ブラント氏の予想には、かなり賛否両論があります。確かに、プロトコルが遅いため、取引の遅延や手数料の大幅な値上げが発生しています。時には、取引手数料が$50以上になり、競合に比べて非常に割高です。 例えば、ソラナの手数料は1セントです。しかし、高度な分散型のため、スマートコントラクトの利用という点では、やはりイーサリアムが1番です。現時点では、このアルトコインはDeFiセクターにおいて、1570億ドルのブロック化資金、つまり市場全体の66%を占め、他のブロックチェーンを圧倒しています。そのリードはNFTセクターでさらに大きくなっています: ここでのイーサリアムのシェアは90%を超えており、ほぼ独占状態です。

    時間の経過と共に、競合によりそのシェアが少なる可能性はありますが、多くの専門家は、このアルトコインの明るい未来を予測しています。プルーフオブステークプロトコルへの移行とその後のネットワークスの広さからトップの座を維持できるはずです。このステップのための“X時間” は、現時点は2022年の第2四半期に予定されています。しかし、データーが、また、延期になるリスクが確実にあります。

    投資家は、これにはあまり心配してないようです。グラスノードプラットフォームによると、価値が値下がりしているにもかかわらず、投資家はコインを購入しています。

    イーサリアムは、2ヵ月で既に50% ぐらいの価値を失っています。同時に、残高のあるイーサリアムのウォレットが、 73,025,019になり、史上最高になりました。ネットワークの動きも増加しており、投資家の調整のために出来るだけ多くのトークンを購入しようとする意欲がうかがえます。ブロックチェーンの1日あたりの平均取引量は、現時点で120万件を超えています。

    グラスノードのアナリストによると、米国株式市場の明確なベクトルが形成されるまでは、イーサリアムの動きは幅の狭いものになるでしょう。リスクのある資産へまた、資金が流れれば、イーサリアムはビットコインとともに、上昇を再開するでしょう。

    しかし、これは、いつ実現するのでしょうか?

    また、はたして、実現するのでしょうか?

 

NordFX Analytical Group

 

注意: これらの資料は、金融市場への投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引には、リスクがあるため投資資金を全て失う可能性があります。

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