取引をしたことがある人なら、ボラティリティが思い浮かぶでしょう。この概念が重要であることは本や多くの記事で議論されているので容易にわかることです。取引戦略の選択、資金管理、それに伴う取引はボラティリティで決まります。しかし、ボラティリティとはなんでしょう? それでは、見ていきましょう。
複雑でシンプルな言葉でのボラティリティの概念
本による一般的な定義では: “ボラティリティは統計的な金融指標であり、価格の変動性を特徴づけるものです” 。さらに、: "ボラティリティは最も重要な金融指標で、特定期間での金融商品のリスクを測った金融リスク管理の定義です"
簡単に言えば、ボラティリティは、通貨やほかの資産: 株式、株式指標、金、オイル、暗号資産の価格変動の度合いです。ある期間での資産の価格変動が均等で予想内であれば、ボラティリティは小さいとみなされます。予想外に急激な大きな価格変動が見られれば、ボラティリティが大きいことを意味します。
ボラティリティが大きい場合、チャートに一方向にむかった長い棒や日本のロウソク足、または、逆に、急激なトレンドの変更が見られます。重要な経済ニュースが発表された後や急激な政治情勢の変化の後は、このような状況がよく見られます。
ボラティリティが小さい ということは、市場が落ち着いている、寝ている、もしくは、小休止を意味します。このような状況は、例えばクリスマス休暇や銀行の休業日、もしくは、大手銀行やファンドの中間決算の報告期間終了の１ヵ月前や四半期前に起こります。市場は、例えば、NFP (非農業部門雇用者数): 米国の非農業部門新規雇用者件数などの重要なマクロ経済指標の発表を控えて凍り付くこともよくあります。
また、一般的と特定の通貨ペアも異なる取引時間で違ってくるのことを念頭においておきましょう。例えば、大西洋側の取引時間帯は、どちらと言うと、ボラティリティが小さく、落ち着いている特徴があります。取引量が最も多くなるのは、ヨーロッパとアメリカの取引時間がかさなる時間帯です。世界２大市場が開いている時が最大となります: 外国為替取引の70％はヨーロッパの取引時間内で80%がアメリカの取引時間内です。
ボラティリティが小さい時は狭い幅のフォームをチャート上で明らかに見てとれます (通常は、フラットと呼ばれています)。しかし、ある流れのトレンドに沿った緩やかな一定の推移もボラティリティが小さいと考えられています。
そこで、ボラティリティの高いや小さいことが明らかになったところで、一定の期間(日、月間、年間)の安値と高値の平均幅に準ずる典型的(標準)ボラティリティがあるはずです。
そのほかのボラティリティについて
そこで、変動幅の小さい、典型的、大きいでボラティリティを分けました。しかし、もう一つ、段階的なものについて話しておいたほうがいいでしょう。トレーディングと投資運用のファイナンスの専門家であるのサイモン・ヴァイン氏は、"オプション。専門家のための全コース”という著書の中で、さらに３つに分類しています:
- ヒストリカル・ボラティリティ(典型に類似) は、ある過去の期間における原資産価格の標準偏差に相当する実測値です。原則、ヒストリカル・ボラティリティは１年以上の期間の平均で考えます。例えば、アジア取引時間でのEUR/USD のヒストリカル・ボラティリティが６１ポイントで、ヨーロッパとアメリカの同時取引時間では97 ポイント上昇します。 GBP/JPY では112と 145ポイントですが、AUD/USD では、わずか38ポイントと 53 ポイントです。
- 予想ヒストリカル・ボラティリティでは、予想されたボラティリティの記録がどのように正確であり、正確でなかったかを知ることができます;
-予想ボラティリティは、現在の資産価値を基にリスクの可能性を考慮して計算された将来のボラティリティの市場予想です。
この3つのパラメータのうち、戦略や取引注文を開いたり、閉じたりする上で最後のパラメータがトレーダーにとって最も重要であることは明らかです。予想ボラティリテはヒストリカルや予想ヒストリカルボラティリティを含んだ多くの要因によって左右されます。現在の経済政治情勢や今後のイベント(マクロ経済統計発表、市場状況、選挙、貿易制裁、紛争の激しさなど)にも考慮する必要があります。かなりしっかりとした予想をするには、資産が克服しなければならないサポート/レジスタンスを含めたこれらすべてのテクニカル分析も必要となります。
ボラティリティとフラット指数
以上のことから、特定の取引商品のボラティリティを正確かつ迅速に予測することは、かなり難しいことがわかります。これは、MetaTrader 4（MT4）取引ターミナルの標準インターフェースに既に取り組まれています。このプラットフォームは長年にわたり世界中で人気があるのでNordFX もお客様に提供しています。
ボラティリティ指標は、不可欠なツールであり、時間枠毎に特定の資産の価格変動幅を明確に表示して分析してくれます。この分析に基づいて、現在のトレンドを判断するだけでなく、将来の予測や価格変動を考慮した市場のエントリーや撤退ポイントの計算も可能になります。ここでは、これらの指標の使い方については説明を省いて(インターネットで簡単に検索できます)、主な指標とその特徴を述べています。
ATR (アベレージ・トゥルー・レンジ) - この指標は、1978年にJ.ウェルズ・ワイルダーが考案したもので、値動きの実際の幅を判断することができます。指標が低ければ、横ばい傾向ですが、高ければ新たなトレンドをつくる兆しとなります。ATR はどのタイムフレームでも使用できますが; 本来は、ディリーチャート (D1)向けに作られました。
ボリンジャーバンドは、は、80年代前半にジョン・ボリンジャーによって開発されたMT4標準のインディケータで、FXやその他の市場のボラティリティの変化を明確に示します。この指標は移動平均線が基になっています。外側のバンドは価格推移とトレンドで大きくなり市場調整時やトレンドの勢いが小さくなると小さくなります。簡単に言うと、幅が広がればボラティリティが大きく、狭くなれば小さいということです。
CCI (コモディティ・チャンネル・インデックス)指数は、1980年にドナルド・ランバートによって開発されたオシレーターでMT4にも組み込まれている指標です。CCIは商品市場だけでなく、株式やFXでも周期的トレンドを基に非常に人気があります。これは、金融商品の価格の平均値からの乖離を測定するものです。指標線が+100または-100のレベルを横切ったとき、ボラティリティが高まったとみなされます。
Alligatorと言うよく知られている指標にもふれましょう。確かに、ATR、ボリンジャーバンド、CCIとは異なり、通常フラットな指標と呼ばれます。Alligatorは3本の移動平均線で構成されており、これらの線が重なり、明らかな角度を示していなければ、市場は静止していると見なされます。
一般的にボラティリティ指標やフラット指標は数多く存在していることを知っておきましょう。考案者が開発したものと、手を加えられたものがあります。特定のインターネットリソースからの購入や無料でダウンロードできます。中には、とても高価であっても、全く役に立たないものもあります。無料でとても使えるものもあります。指標を使った多くの取引戦略もあります。しかし、通常は、実際の資金で取引をする前に、NordFXの無料のデモアカウントで指標や戦略を試してみることをお勧めしています。特定の資産や取引スキルの好みに従って試すことが、かなりできます。そして、これは金融市場で大きな成功となるでしょう。
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