FXと暗号(仮想)通貨の見通し 12/ 14 – 12/18, 2020

まず、先週のイベントを振り返りましょう:

  • EUR/USD. 予想通り、欧州中央銀行は、0%の水準で金利据え置きでした。ユーロは、ドルに対して幾分、ポジションを弱める可能性がありました。しかし、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を5000億ユーロ追加拡大するというECBの決定やその後のクリスティーヌ・ラガルド総裁のコメントにより、それは起こりませんでした。実際には、予想外の決定ではなく、1週間前に、このような結果は予想されました。さらに、市場参加者の予想4000-6000億ユーロの中央で落ち着きました。しかし、EUR/USD ペアの下げを防いだのは、まさにこの予測でした。
    クリスティーヌ・ラガルド総裁の声明に対するタカ派感情もまたヨーロッパ通貨を支持しました。ECBが注意深くユーロを監視していることを発表することにより、彼女はユーロを下げようしているようでした。しかしながら、外国為替市場の問題に介入しないという当局の決定は、“為替レートの監視”という発言より影響を与えました。そして、ヨーロッパ地域経済情勢が十分に改善されるなら、5000億ユーロ全額を使用する必要はないというクリスティーヌ・ラガルド総裁の予期しなかったタカ派のコメントが最終的にペアを下方に向ける努力となりました。
    結果として、1.2060レベルまで下げると、1.2165まで再び、急上昇し、5日間の終わりには、この範囲の中央値、1.2113ゾーンで月曜日と実際には同じ位置で終了しました。
  • GBP/USD. ポンド安はドル安を上回っています。イギリス通貨は、"ハード"ブレグジットの脅威が、より明らかになり、緩やかに下げています。 イギリスのボリス・ジョンソン首相と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長による最新の声明によると、イギリスのEU離脱については、現実の合意はありません。ジョンソン首相は、市民に“厳しい”出口に備えるべきとアドバイスし、フォン・デア・ライエン委員長も同様でした。
    合意の余地は、まだ、残されているかもしれないですし、水路のトンネルを塞いでいる“鉄のカーテン”が見えてこないので、ここで“現実”という言葉を強調する価値があります。どちらの側もCOVID-19パンデミックの最盛期には、合意を必要としません。おそらく、“合意”と呼ばれる文書の多くは、埋められておらず、早ければ2021年に開始されるでしょう。しかし、このような劣った契約は、ポンドに利点がありません。この証拠が先週のGBP/USDペアの動きです。
    12月4日金曜日の高値から12月11日金曜日の安値まで、ポンドは400ポイント以上下落しました。最近まで、EUR/USD に従わなかったにも関わらず、完全に独自の動きを開始しました。12月11日の午後に1.3135に達した後、夕方には、90ポイント戻し、1.3225のレベルに最終的になりました。しかし、この弾みは、ほんの僅かな下方修正である可能性もあります。;
  • USD/JPY. リスク選好により、投資家はドルや円の保護資産への興味が薄れています。結果として、一時的に停滞し、横ばいの動きでした。しかし、ペアは3月末からの緩やかな下降に従い、中期チャンネルを超えることはありませんでした。そして、先週の見通しでは、圧倒的多数の専門家(70%)がD1のグラフ分析を支持し、弱気な感情支配が続くであろうと示唆していました。概して、すべてがその通りでした。ペアは、横ばいで、徐々に103.85-104.55に幅を狭めていき、103.65あたりのメインサポートで中期の“ペナント”形になりました。取引は、104.00で終了しました。;
  • 暗号通貨. アメリカの“4大”銀行の一つである金融機関ウェルズ・ファーゴは、別途のページに“ビットコイン⁻2020年代のベストパフォーマンスと最もボラタリティのある資産”という見出しで暗号通貨市場に向けた新しい投資レポートを掲載しました。著者は、クライアントに暗号資産投資をダイレクトには推奨はしていませんが、総体的に見通しに関しては、楽観的です。“12年間という歳月で、文字通り何もないところから、$5600億の時価総額にまで成長させました。“とウェルズ・ファーゴは記載しています。"趣味なら、通常、12年も続かないでしょう。"
    銀行は、年間170%まで上昇していることを記していますが、この高いボラタリティに警告しています。“今日の暗号通貨への投資は、投資というよりは投機に夢中になった1850年代初頭のゴールドラッシュの手段に似ている”というのが銀行のアナリストの考えです。それでも、なお、暗号通貨に多く注目していますが、必ずしも、多くを投資しているわけではないことを付け加えています。(ここで、ウィリアム・シェークスピアの劇が思い浮かびました: "空騒ぎ"). 
    これに異議を唱えるのは難しいです。: 現在の暗号通貨市場の時価総額は、2018年1月初旬の$8300という高値から程遠いです。そして、億万長者のポール・チューダー・ジョーンズによれば、“$90兆の株式市場があり、法定通貨で何兆であるかは神のみぞ知る”で、これは世界のどこかにあります。
    暗号通貨市場は先週$500億下落しました。: $5750億から始まり、 $5250に下がりました。楽観主義者は、季節調整に向けての弱気一掃と呼び、年末と投資家の飛躍的な上昇での利益確保という願いと関連付けています。BTC / USDペアが$ 20,000を超えることはできなかったことを思い出してください。そして、アナリストは、12月末までに象徴レベル超える足元を固める可能性は30%であると評価しています。$15,000〜$15,700ゾーンに下落する可能性は、同様に30%と推定されます。
    その間、下げに関しては、$17,600と推測でき、2度起こりました。: 12月9日と11日。そして、2回、この2回の下げに、買いがビットコインを救いにきました。しかしながら、トレンドの反転を覆せず、12月11日金曜日夕方、ビットコインは、$18,000の強いサポート/レジデンスのゾーンで取引されています。
    Crypto Fear&Greed 指数は7日間で92から89にわずかに低下しましたが、それでもBTC / USDのペアが大幅に買われすぎていることを示しており、さらに深い修正の前兆となる可能性があることに注意すべきです。

 

今週の見通しについて、多くの専門家の意見と並んでグラフとテクニカル分析を要約すると次のように言えるでしょう:

  • EUR/USD. ドルは、弱いです。この1ヵ月半で、ヨーロッパ通貨に対して550ポイント下げました。最終的には、ペアは、先週の1.2060-1.2165の範囲で横ばいに動きました。そして、ほとんどのオシレーター(75%)とトレンドインジケーター(95%)はD1でまだ緑色ですが、市場は下方修正を待っています。
    主要なUKブローカーの統計を見てみると、トレーダーのおよそ65%は、短期ポジションを保持しています。
    55%のアナリストは、H4とD1のグラフ分析と同様に1.1965-1.2010 ゾーンへのペアの下落予測に同意しています。リスク資産の需要と“ハード”ブレグジットの両方が、下方に押す可能性があります。
    しかしながら、ヨーロッパ経済の回復に関するECBの楽観論、EU諸国の疫学状況の改善、全般的なドル安により、多くの専門家は、修正後、2018年の第一四半期の高値、1.2400-1.2565まで、ペアは再び上昇すると信じています。アナリストと切り離してもグラフ分析で、このシナリオの可能性は確認できます。そして、ここでのレジデンスは、ラウンドレベルで1.2200 と1.2300かも知れません。
    来週のイベントである12月16日水曜日のドイツとヨーロッパ諸国の事業活動並びにアメリカの消費市場のデーター発表は、注目に値します。しかし、最も興味深いイベントは、12月17日の木曜日にある米連邦準備制度理事会の金利決定に加えて、連邦公開市場委員会の経済予想の要約の発表と記者会見です。
  • GBP/USD. 今週は、イギリスのマクロ統計が多くあります。労働市場のデーターが12月15日の火曜日、翌日にサービスセクターにおける消費者物価と企業活動(Markit)の発表があり、イングラン銀行の会議が12月17日に開催され、金利と資産購入量の決定がされます。しかしながら、これらのイベントは“ハード”ブレグジットの前で青ざめています。UKとEUの協議の間で起こることがポンドの運命を決定するでしょう。
    12月13日の日曜日に協議の続行あるいは終了に関する声明があるべきでしょう。最もソフト(最も現実的)なオプションは、世界貿易機構の基本ルールと似たルールに徐々に移行するために、現状の移行期間をさらに6ヵ月または、一年延長することです。そうなると、ペアの下落は続くでしょうが、イギリス通貨の暴落は回避できる可能性があります。この場合の最も近いサポートレベルは1.3100、それから 1.3000 と1.2850です。
    二つ目のオプションは、合意や延長のない “ハーデスト”ブレグジットであり、2020年の5月中旬の1.2075エリア、または、さらに、3月の安値の下落を導くでしょう。
    もちろん、最も起こりそうもないEUが突然、その立場をあきらめ、完全にイギリスの要求に応じるという三つめのオプションもあります。この場合は、まず、ポンドは、1.3500まで上昇し、それから、おそらく2018年の高値1.4350あたりになるでしょう。繰り返しますが、この結果はむしろ非現実的です。;
  • USD/JPY. 円は、市場のリスク選好投資家の最終的な反動により、再び注目される通貨だと予想しています。しかし、それはドルも同じです。日本通貨のチャンスは、“ハード”ブレグジットの結果による投資家のユーロとポンド離れかも知れません。しかし、彼らが好む“安全通貨”が円かドルかというのは、別問題です。
    オシレーターの85%とトレンドインジケーターの100%は、未だに赤くなっており、3月末に始まった下方中期チャンネル内にペアがさらに下落するのを待っています。サポートは、103.65と 103.15です。
    しかし、専門家の平均予測はインジケーターとは大きく異なります。90% はD1のグラフ分析を支持しており、ドルを選好し、ペアは、まず、104.60のチャンネルエリアの境界上まで上昇してから、それを突破すると、105.00のレジデンスを試みるだろうとしています。しかし、2021年の年明け前は、上向きや下向きのシャープな動きを見せず、ペアは横ばいの104.00ゾーンに落ち着き続けるでしょう。;

  • 暗号通貨. 修正か2017年後半-2018年の大暴落か?この質問は、まだ、受付中です。
    ブルームバーグの専門家は、現在、ビットコインの動向が変化する要因はく、2021年には、原価は$50,000に増加する可能性があると思っています。“ドルは徐々に、その地位を失い、ほかの法定通貨を避けている“”代替資産に代えることを余儀なくされている投資家によって、すべて気付かされている“と権威ある機関は記載しています。ビットコインは、後退の可能性を最小限にするために、より十分なサポートがあります。CME ビットコイン先物市場の建玉は、歴史上はじめて$10億を超えており、これは、また、投資家の支持が大きくなっていることを物語っています。
    チューダー・インベストメント・コーポレーションの責任者で、アメリカの億万長者であるポール・チューダー・ジョーンズ氏は、同様の見解で、“暗号通貨は、乱高下を伴うクレイジーなロケットのフライトに直面している”と述べました。“20年以内に、ビットコインは現時点より大幅に高くなるでしょう。今から、上昇するでしょう”と彼は、ヤフー!ファイナンスを引用しました。
    しかし、ギャラクシー・デジタルのCEO、マイク・ノボグラッツ氏は、少し、楽観的ではありません。彼の見解によると、ビットコインは、確かにゼロに戻ることはないが、$14,000に下がるかもしれません。そのため、投資家の損失は80〜90%に達することはありませんが、約30〜40%になる可能性があります。
    フィンテック・カンパニーのシンジケーターのレポートは、非常に興味深いものです。これは、示されている数字が各専門家の意見ではなく、暗号通貨市場の参加者156,000人以上のアンケートの平均結果で、来年は、$29,569に上昇するということだからです。“スーパーフォーキャスター”と呼ばれる最も的確な予想者は、平均より、さらに高く、$32,056を予想しています。平均予想ですと、安値は$15,000です。“スーパーフォーキャスター”は、少し楽観的ではなく、$12,000に下落すると予測しています。
    機械学習アルゴリズムを使用したアナリストのチームからのデーターを処理するシンジケーターの“ハイブリッド・インテリジェンス”は、より狭い範囲でのみ同様の値を予測します。その計算によれば、来年のBTCのレートは、$25,222を超えず、$16,000を下ることはないとしています。同時に、2021年の暗号通貨市場の総資本は80%の確率で、2018年に記録した$8,280億を超えるでしょう。
    機関投資家に加えて、2021年の暗号通貨市場の追加的慎重なサポートは、経済的な課題や制裁下の諸国によって提供されるべきです。現時点では、SWIFT 国際銀行システムは、金融犯罪機関(FinCEN)や 金融活動作業部会と一緒に、ドルで各国際取引を管理しています。これにより、制裁下における諸国は、国際委貿易の機会が奪われ、文字通り暗号通貨に向かうことが余儀なくされます。たとえば、ベネズエラは、最初は金で支払をしていましたが、トルコやイランの輸入決済をビットコインに切り替えています。一応、この国の中央銀行からの匿名情報によって証言されています。

 

NordFX Analytical Group

 

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