まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 先週は、とても重要な二つの経済指標が注目されました: 米国からの非常に強いマクロ統計と10年利回りの米国債の崩壊です。
4月15日木曜日に公表されたデーターによれば、米小売売上高は3月比+ 9.8％増 (予想+5.9% 、2月-2.7%減)で、10ヵ月ぶりに大幅に伸びました。労働市場でも、経済活動の回復が示されています。そのため、失業保険の給付申請は、769,000件から576,000件へ減少しました。これも、予想の700,000件よりも良かっただけでなく、COVID-19のパンデミック以来の最低水準になります。工業生産は2.7%に伸びています。
これらの全ての数字が、2021年の第1四半期における米GDPの急成長を明確に示しています。そして、今後数ヵ月は続くと言えるでしょう。この状況に対して、昨年11月に入って以来の強い米国債の利回りの下落は意外でした。3月末、10年利回り国債は、月によっては最大1.775%にとどき、現在は1.583%に下落です。
債券と共に、ドルは下落しています。USD DXYインデックスは4月16日金曜日に91.5水準で取引されており、今年の最高値である93.3から180ポイント下回っています。結果、多くの専門家 (65%)の予想通り、EUR/USDは、先週、上昇を続け、需要なサポート/レジデンスレベルの1.2000に近づき、1.1980で5日間の取引を終えました。
この状況は、アメリカからの強い経済統計が米ドルに対して、もはや強いサポートができないことを示唆しています。そして、最近は、より国債利回りと相関しています。明らかに、コロナウィルに対するワクチン接種率は既にドル相場に考量されています。そして、連邦準備制度による新規の金融刺激策や紙幣の増版がドルに対して動き始めました。下落は、既に通常の修正より超えており、投資家のリスク感情は高まっています。: ユーロに加えて、資源国通貨や新興国通貨も上昇しており、S&P500は今年、22回目の高値更新です。; - GBP/USD. ドル安が英国通貨を支え、GBP / USDペアの下落は止まり、120ポイントも上昇しました。つまり、4ヵ月に渡る動きは、1.3670-1.3920の横ばいのチャンネルとして定義できます。最終的に、このペアはこのチャンネルの中央 1.3840で取引セッションを終えました。;
- USD/JPY. 米10年国債利回りの急落については上記で述べました。専門家は、この暴落の考えられる理由としてヘッジファンドのショートポジションの準備と市場に日本人バイヤーが戻ってきたことであると考えています。彼らは、会計年度末に米国債を積極的に処分していましたが、現在は、ポートフォリオに組み入れ始めました。これが、マイナス金利により、このような資金運用に使われる円の需要を増やすことに繋がりました。
一週間前のシナリオの一つは、ドル安円高がUSD/JPY のペアを108.40へ押すことになると示唆していました。これが、まさに起こりました。: 109.65水準からスタートしたこのペアは、4月15日木曜日に108.60の水平線まで下落し、その後は、少し戻して、108.80で終了しました。; - 暗号通貨. 8週間にわたって、とても期待していたことが起こりました。: ビットコインが、ついに$60,000台を突破し、現在、この重要な心理レベルである足場を固めようとしています。BTC/USDの史上高値である$64,800は、4月14日水曜日に達しました。しかし、修正に続いて、強気筋は4月16日金曜日一日中、$60,000を下回らないように苦戦していました。
フォーブスの格付けによると、ビットコインの上昇のおかけで通称サトシ・ナカモトという発明者は世界の富豪トップ20入りしました。多様な推測から、彼は75万から110万のBTCコインを所有していることになり、現在、彼の資産は600億ドルを超えています。
しかし、ナカモトが無数の仮想通貨の宝をずっと昔に所有していたとすると、現在の大規模投資家は旅をはじめたばかりに過ぎません。分析サービスのSantimentによると、通称"クジラ"は、蓄えはじめています。 アナリストたちは、今のところ、彼らが暗号通貨の市場供給量の2.2%を蓄え、11ヵ月高値をつけていることを見出しています。似たような状況は、昨年の5月のはじめにもありました。Santimentのレポートから、投資家が100,000以上のビットコインをコントロールしていると言えます。
"クジラ"に加えて、2020年12月以来、はじめて、マイナーも蓄えはじめ、供給不足を生み出し、ビットコインの価格上昇が続くことになりました。
マイナーは暗号通貨により収入を得ますが、サービスや設備のために法定通貨での支払をしているので、マイニングしたコインの一部売却を余儀なくされます。この売却する量は、現在の市場状況やビットコインの予測に左右されます。マイナーのビットコインの蓄積は、3月31日から再び始まりました。この４ヵ月前にクジラは、ポジションを減らして法定通貨に変えています。1日あたり17,000から24,000BTCの最大量の暗号通貨が、2021年1月に売られています。
“マイナーは、$20,000 から$40,000にビットコインが上昇している間、十分な資金を持ち合わせているためデジタル資産を蓄えることに切り換えています。また、一部では、さらなる上昇を見越してコインを所持しています。” と香港を拠点とするBabel Finance のCEO であるFlex Youngは CoinDeskに語っています。マイナーのウォレットにあるビットコインは、この2週間で18億600万BTC に増加しています。
BTC / USDの上昇は、ドル安と長期米国債利回りの低下によっても促されています。これにより、インフレーションに対するリスク回避のために暗号通貨の魅力が高まっています。
4月10日の暗号通貨市場の時価総額は、ついに2兆ドルの大台に達し、下回ることはありませんでした。この執筆時点の 4月16日は、2.2 兆ドルです。
同時に、暗号通貨の時価総額に占めるビットコインは減少を続けています。: 1月2日は72.65% でしたが、その後、4月16日は52.10%だけでした。既に述べましたが、おそらく、投機家が他の収益性の資産に切り替えたことが要因だと思われます。
Crypto Fear & Greed インデックスですが、先週は70 から78ポイント上昇です。どちらの値も買われ過ぎ圏内ですが、クリティカルには程遠いため、BTC/USD上昇の大きな障害にはならないでしょう。
今週の見通しに関しては、多くの専門家の意見の要約及び様々なテクニカルな方法とグラフ分析に基づき次のように言えるでしょう:
- EUR/USD. レビューの冒頭で述べましたが、数兆ドルの経済支援策は、米国の借金だけでなく、米ドルを大きく押し下げました。 ゼロに近い低金利も助けになりません。しかし、同時に、FRSの責任者は経済回復のペースは素晴らしいが、財政刺激策削減の議論は時期早々だと述べています。ジェローム・パウエル議長によると、議論を始めるには、数ヵ月はこのような肯定的な結果が必要であるとしています。経済は、雇用とインフレーションの目標レベルに向かって “さらなる著しい進歩を成し遂げる” べき必要があります。
もちろん、このような声明はドルに良いものではなく、リスク感情の高まりにつながります。しかし、大西洋の反対側は、ロックダウン終了が間近であり、ユーロ圏の経済が今までにない成長を成し遂げていることでEU当局からは益々、活気づいた声明があります。ブルームバーグの専門家のコンセンサス予測によると、ECBは緊急資産購入(QE)政策を7月まで遅らせ、年末には、2022年3月の終了を発表するでしょう。
上記全てが、EUR/USD の1.2000レジデンスを突破させ、1月の高値1.2300圏内への上昇につながるでしょう。
この方向のレジデンスは、1.2125 と1.2185レベルでしょう。
しかし、現時点では、このような強気の予測は専門家の25％しか支持していません。本当に、グラフ分析、H4のトレンドインジケーターの100％、D1では90％が彼らサイドです。描写は、オシレーターで若干違いがあります。オシレーターの 65%だけが、両方の時間枠で緑である一方、残りは既にこのペアの買われ過ぎのシグナルを示しています。
アナリストの多く(50%) は、現在、中立のポジションで、近い将来、1.2000を境に強気筋と弱気筋で “綱引き” があると考えられています。しかし、勝者は将来もドルでしょう。そして、週から月次予想に移ると、弱気の支持が25％から70%に増えます。彼らの意見では、EUR / USD は、1.1700圏内で再度、サポートを試み、成功すれば、さらに100ポイント下がるとしています。
来週の指標に関しては、4月22日木曜日に注目すべきでしょう。次のECB の会合が、その日に開催されます。金融政策に関して特に変更はなさそうです。しかし、欧州中央銀行の運営陣の記者会見は、興味深く、投資家は、そこで当局側の意図について肯定的なシグナルを受け取ることができます。ドイツやユーロ圏内のビジネス活動の指標が翌日の4月23日に発表されますが、前向きだとわかれば、ユーロを支持する可能があります。; - GBP/USD.イギリスがEUから離脱後の問題、印象的な貿易赤字、財政赤字がポンドを押し下げ続けています。そして、ほかの通貨に弱いドルですら、GBP / USD は横ばい傾向なだけで、継続的な上昇に戻ることがありません。
イギリス通貨は、特に、ブレグジットにより巨額の資本が国に戻り始めると魅力を取り戻すかもしれません。ポンドは、また、COVID-19のワクチンの成功に支持されています。そのため、アナリストの一部では、2020年3月20日に始まった長期的な上昇傾向を埋めるには時期早々であり、このペアの上昇チャンスは見込めるとしています。専門家の30%は、現時点では強気予想です。 しかし、春の終わりまでの予想に移すと、その数は2倍: 60%までにもなります。近似レジデンスレベルは、1.3920 と1.4000です。
一方で、大多数のアナリストは、D1のグラフ分析を支持しており、この場合、このペアは1.3670-1.3920の取引チャンネルの下値境界線まで下げ、これを突破すると、1.3600 圏内へ移動するでしょう。
地域トレンドに影響を与える可能性がある来週の指標には、4月20日火曜日のイギリスの労働市場統計、4月21日水曜日に消費者市場データー、4月23日金曜日にはマーキットサービス部門のビジネス活動の発表に注目できます。4月21日のイングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁のスピーチも同じく、注目すべきでしょう。; - USD/JPY. このペアは、来週、108.60-109.25圏内からはじまります。これは非常に狭い範囲であり、3月の3週間に渡って抜け出せなかったことを思い出しましょう。また、現在、さらなる円高方向の深刻な障害になる可能性があります。グラフ分析は、これを完全に支持しています。H4とD1の予測によれば、下がる前にUSD/JPY は、数日間、この制限内で押されるでしょう。
70% のアナリストも、このペアの下落を確信しています。サポートレベルは、108.35、107.50、106.00; 残りの30% は、このペアの跳ね返りを予想しています。レジデンスレベルは、109.25と110.00、目標は3月31日の高値110.95を克服し、111.00になることです。; - cryptocurrencies. ビットコインの最も楽観的予想が、風刺アニメシリーズのシンプソンでありました。シーズン32の新エピソード18回のTVスクリーンには金融資産相場のランニングラインが映し出されます。ビットコインの交換レートは、無限に緑色です。
もちろん、このようなダイナミックさは、投資家を大いに喜ばせるでしょう。しかし、専門家予想は、未だに、さらに控えめです。彼らも、上向きに努めていますが。つまり、Kraken取引所の最新のレポートでは、アナリストは過去のデーターを根拠に4月のビットコインの上昇を50% と認めています。この月に$59,000で始まるとすれば、動きのターゲットは、$90,000を付ける可能性があります。しかし、再度、急騰する前に、ビットコインは少なくても$10,000の修正が考えられます。
第二の主要暗号通貨であるイーサリアムについて、Krakenは $15,000の上昇を予想しています。取引所のアナリストの意見では、サポートとレジデンスレベル: $1,462 と$2,695が重要であると指摘しました。ETH価格変動の過去のパターンを対数曲線にプロットすると、強気サイクルのピークにはまだ遠いと結論付けました。専門家は、イーサリアムの価格が3月末のレベルから700％上昇し、$15,238ドルの高値に達する可能性があると確信しています。
このアルトコインの価格についてのもう少し控えめな予測は、有名な暗号通貨トレーダーであり、ポッドキャスト、The Wolf Of All Streets のホストであるScott Melker氏によって出されています。彼によると、イーサリアムは、2021年の収益性の観点からビットコインを抜き、価格は$10,000に上昇する可能性があります。
彼は、Cointelegraph で、ここ数ヵ月でビットコインからイーサリアムへ大きく戦略を切り替えたと明らかにしています。“私は、これが、おかしい理由が理解できません。事実、これは、現在の価格の5倍未満の上昇に過ぎません。ビットコインは、昨年、ほぼ3倍です。” Melker氏は、レポーターに語っています。 “1990年代初頭にインターネットに投資したことを思い出します。”
Maciej Vitkoviak 氏は、さらに歴史を掘り下げ、約40年前の世界の暗号通貨ライフハックを明らかにしました。- 1982年のビンテージコンピューターコモドール64のエミュレーターがビットコインのマイニングに適用されます。この開発者は、このPC専用のC64ビットコインマイナーソフトウェアを作成しました。彼はVICEエミュレーターで0.2H / sのハッシュレートのデモンストレーションをおこない、ビットコインの束を得られるでしょう。“ちょうど” ... 337 年と10 ヵ月で J.
NordFX Analytical Group
注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあり、結果として入金した資金を全て失うことがあります。
戻る 戻る
